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帰ってきたウルトラマン(1) [新マン・ドラマ]

第一回目は、第39話 《冬の怪奇シリーズ 20世紀の雪男》を取り上げます。この年は、絶対零度の星が240年ぶりに地球に最接近する年。そして、12年ぶりにイエティが姿を現すと言われる年と重なる。何かが起きる・・・

脚本;田口成光
監督;筧 正典
特殊技術;真野田陽一

◆雪の権現山で登山をしている二人がいた。権現山はヒマラヤの気候によく似ている山で、ヒマラヤの資料では、この年は12年ぶりにイエティが出現する年に当たっている。ヒマラヤと条件が酷似しているこの権現山にも、必ず雪男が出現するはずだ。

吹雪の中にかすかに見える雪男らしき影を指して、陽子が叫ぶ。
『英雄さん。あれ見て!』

しかし、そのとき陽子は雪に足を取られてしまう。津村英雄が陽子を救出している間に、雪男らしき影は消えていた。急いで写真を取るために雪男らしき影の後を追った津村は、その後行方不明になってしまう。

この事件を知ったMATの伊吹隊長は、岸田隊員と郷隊員を捜索に向かわせた。遭難した片岡陽子は発見され、権現山のふもとの山荘で休んでいた。

片岡陽子のもとを訪れる岸田と郷。村人達に聞き込みをしたところ、冬山にイエティを探しに行ったまま戻らない若者が、春には死体で発見されることがあるという。この村では雪男のことをイエティと呼ぶのだ。

姿を見られたイエティは、片岡陽子を殺害しにくるに決まっているという村人の言葉が気になる郷であった。山荘で身体を休めている片岡陽子は、窓ガラス越しに覗く何者かの影を見たと言って、怯えた。

すると陽子のもとに、行方不明だった津村英雄が現れた。
『雪男なんか実在しない。あれは人間がこしらえた伝説だ』

人が変わったように冷たい表情で「雪男の論文」の発表中止を言いだす津村。あとは写真さえ撮れば資料は完璧だと言っていた津村の言葉とも思えなかった。陽子は津村の言葉に、何か釈然としないものを感じていた。

坂田兄妹が宇宙人に殺害され一人ぼっちになってしまった坂田次郎を、引き取って面倒を見てくれているのが隣室のルミ子一家だ。

正月休みにルミ子一家のもとで話をしているうちに、調査している事件の当事者・片岡陽子がルミ子の友人であることを知った郷は、東京に帰っていた片岡陽子に、ルミ子を通じて会うことができた。

詳しい話を聞こうと陽子に会った郷は、津村英雄が雪男の資料と共に東京から消えてしまったことを告げ、津村の身に何かあったのではないかと心配していた。雪男伝説は240年前から始まっている。

12年周期の寒い年になると雪男の目撃情報が必ずあること、丁度この年はその寒い年に当たることから、雪男は必ず現れることを信じて疑わない津村だった。その津村が資料と共に失踪した。郷は何か釈然としないものを感じる。

天文台へ行って、絶対零度の星の最接近について調べる郷。それはあまりに冷たすぎて物質が透明な状態になっており、目視観測できなかったことが接近に気付かなかった理由だという。その冷たい星が地球に最接近する日は、今日だ。

東京に現れた津村は、バルダック星人に乗り移られていた。津村から分離したバルダック星人は、東京を氷漬けにするために巨大化した。MAT本部から宇宙人出現の一報が入る。

郷と一緒に天文台に行った陽子は、ふとつぶやく。
『冷たい星の接近で現れた宇宙人って、雪男のことみたいね』

郷はその正体を確かめるために、陽子を連れて現場へ急行した。
『私が見たのは、あれです!』

陽子が権現山で見た雪男は、バルダック星人だった。バルダックは雪男の名を借りて権現山に住みつき、地球侵略の機会を狙っていたのだ。巨大化したバルダック星人を、マットアロー1号2機が攻撃を開始する。一方、地上からは南隊員と上野隊員がマットバズーカで攻撃する。

東京をバルダック星と同じ環境にするために、バルダックは口から冷凍光線を吐き続ける。郷隊員も地上からマットシュートで攻撃するが、冷凍光線を浴びた南、上野両隊員は全身氷漬けになっていた。陽子を助けようとして冷凍光線を浴びてしまった郷隊員は、その瞬間ウルトラマンに変身した。

寒さに弱いウルトラマンは、バルダックの口から吐きだす冷凍光線をバック転で避けながら攻撃の機会をうかがうが、破壊されたビルの残骸に足を取られ、倒れたところに冷凍光線を浴びて動けなくなってしまう。

カラータイマーが赤色に点滅をはじめた。エネルギーが残り少ない。マットアローのナパーム弾攻撃を受けてもひるまないバルダック星人だったが、その爆弾の熱でウルトラマンの身体に自由が戻った。

ブレスレットを空に飛ばすと、それが火の玉となってバルダックの真上で炎の輪を作り、バルダックの身体を包んだ。氷の星の住人バルダックは、溶けるように消えてしまった。バルダックの宇宙船も、絶対零度の星も、ウルトラマンのブレスレット攻撃によって壊滅し、地球は救われた。   (おわり)


★★★★★★★★★★★★
物語の冒頭、権現山に雪男が現れて遭難者が出たという電話がMATに入る。岸田隊員は、警察の仕事だと言う。南隊員は小説の読み過ぎだという。そんな二人の隊員に伊吹隊長は、「結論を急ぐな」と言って二人をたしなめる。

そこに丘隊員から、絶対零度の星の接近報告が入る。伊吹隊長の総合的判断が、それは警察ではなくMATの仕事だと判断させたのだろう。雪男を、頭から作り話だ・小説だと決めてかかるのは簡単だ。だがどんな小さなことでもおろそかにせず、真実探究の判断材料にするためには、「結論を急ぐな」は心しておきたい言葉である。


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