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ウルトラセブンを創った男たち・前編 [ウルトラセブン]

◆上原正三(脚本家)◆
沖縄県出身。ウルトラQの第21話「宇宙指令M774」でウルトラシリーズ脚本家デビュー。ウルトラセブンでは、メインライターの金城哲夫が途中からマイティジャックに注力していった為、上原正三と市川森一に多くの脚本が割り当てられた。帰ってきたウルトラマンではメインライターを務め、第二期ウルトラシリーズの基礎を築いた。

【インタビュー】
だんだん、だんだんウルトラマンよりはセブンの方が、政治的というかテーマが重くなってきていますね。それはみんなが余裕じゃないけれども、なんか自分のもっと書きたいテーマがあるんじゃないかと。セブンではそういうものを作品にしていったということはあると思うんですよね。

だからウルトラマンとはまた違っているんですよ。どちらかといえばウルトラマンの方が、非常にエンターテインメントになっているような気がしますね。



◆中野稔(視覚効果・光学撮影)◆
大学在学中に円谷英二氏に弟子入りしようと円谷邸を訪ねあっさり受け入れられたが、卒業まではアルバイトで東宝の映画現場に出入りしながら、円谷英二に師事する。『監修 円谷英二』と入る作品には、恥ずかしいものは絶対に残せないという思いが強い。

そういう思いでウルトラセブンでは、合成を施すカットはウルQ・マン以上に撮影現場に立ち会って、緻密で完成度の高い映像作りを目指したという。

【インタビュー】
ウルトラセブンはね、僕が印象にあるのは金城(哲夫)に初めて台本を見せられた時は、ウルトラアイっていう題名だったんで、メガネを印象付けると。それで合成やっていてもね、いわゆる待ちカットって言って、光線が出るために光線を出す前方を開けておくっていうのがあまり好きじゃないから、

そうすると高野さん(特撮監督・高野宏一)大変だったと思うんだけど、やはりアップを撮っておいて、それからパッと引いたときに光線が出るみたいなことをずいぶんやってもらって。始めっから引いておいて光線が出ますよっていう構図は、イヤだったからね。ウルトラアイの目の部分に火花が出たい。

そうすると高野さんがネズミ花火をクギにひっかけてね、撮影してもらったものをリフレイン(繰り返すこと)して使うとか、そんな工夫でね。だけどはじめは良いんだけど、連続もので続いて出てくるとなるとね、どうもまどろっこしくなっちゃうんでね。

あとは監督によっては、メガネをかけたウルトラセブンが出なくても、子供の中にはその印象が残るほど強かったから、そういう使い方をして。実際には見えなくても、子供たちはそれを頭の中で見てくれたからね。そういう印象がある変身シーンができたのは、ボクは幸せだったと思う。

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ウルトラセブンを創った男たち・後編 [ウルトラセブン]

ボクはね、人間じゃないんだよ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ! びっくりしただろう?」
「ううん。人間だろうと、宇宙人だろうと、ダンはダンに変わりないじゃないの。たとえウルトラセブンでも・・・」
それまでに描いてきたダンとアンヌの淡い恋心が相手を思いやる心として描かれ、それが最終回で見事に花開いて、しっかりした人間ドラマになっている。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
高野宏一(特技監督・故人)
インタビュー;
「ウルトラマンでやらなかったこと、それから出てこなかったことをまたセブンでやるわけだから、やっぱり作ってる方も楽しいわけですよ。ね、次から次へと新しいアイデアが出てくるわけだから、皆さんね。こんなことやったらどう?あんなことやったらどうって。

こんなことやってみたいんだけどって言われれば、できるんならやってみろよってやらせてみて。それが生かせれば、それいただきみたいなもんで。ある程度やってみて出来なければ、じゃあ次にしようとかね。そういう風にしてスタッフ全体で作ってくってことが、特撮映画ではものすごく大切だしね」



満田 穧(監督)
インタビュー;
「これで終わりだと思ったからね、本当に。あの頃のイメージだと、怪獣ものとかヒーローものっていうシリーズは、もうテレビに登場しないなっていう風に感じられたんで。本当の意味で、俺たちの仕事の中でも最終回だろうなと思ったから。

で、すでにその時には片方のチームでは、怪奇大作戦という次なる放送に向けてスタートしてたし。怪奇大作戦っていうのは、ヒーローもいなければ怪獣もいないというシリーズなんで。自分たちにとっての最終回でもあったわけ」



市川森一(脚本家)
「なれ合いにはお互い、決してなってなかったですね。ウルトラセブンはいろんなセクションがありますね。本編グループ、特撮グループ、現場グループとこっちの企画シナリオグループ。でね、それは作品の上では交わるんですけれど、プライベートな所ではね、実はあんまり交わってなかったんですね。

これはみんな共通して言うことですけれど、ウルトラセブンの共通の恋人はひし美ゆり子さん・アンヌ隊員なんですね。みんなアンヌを慕ってる。で、ボクもアンヌで書きたくて仕様がないんだけど、それはもう、金城哲夫とか上原正三が取ってしまって、ボクにはソガ隊員とかフルハシ隊員しか来ない(笑)

ひし美ゆり子さんでは無いんですよね、アンヌ隊員に恋をしているんですよね。で、僕がウルトラセブンをやってる間は、ひし美ゆり子に実際に会うことは一度も無かったですね。ウルトラセブンもあんまり赤字が出ると、上原正三あたりが、『市川さん、今度悪いけどね、宇宙人作るお金がどうも無いらしいんで、宇宙人無しでセブン一本書いてくれないかな』って。

セブンは誰と戦えばいいんだみたいな(笑)それでもね、ある種の使命感で四苦八苦考えているうちに、じゃあ、セブンの予備のぬいぐるみが一つあると。じゃ、あれ使おうみたいなことで。偽ウルトラセブンと本物のウルトラセブンが戦ってみたいなね。あれも宇宙人も怪獣も出せないっていうんでね。そういうハンディを逆にプラス思考して、楽しんで創っていくというね」

「僕はその後いろんなドラマを書き続けていくときに、ウルトラセブンの後遺症というのはね、その後深い時間帯を書くようになってからでも随分残りましたね。ひとつはね、ハッピーエンドが書けないライターになってしまったってことですね。ウルトラセブンっていうのはね、一本だってハッピーエンドは無いんですよ、ホントは。誰かが苦悩する、誰かが挫折する、そういう青春ドラマなんですよね、最終回に至るまで」


★★★★★★★★★★★★
各証言からもわかる通り、制作費が赤字だった関係や当時のテレビ環境が怪獣ものの衰退を見せ始めてきており、円谷プロのスタッフがウルトラシリーズの集大成作品として総力を結集したものが、ウルトラセブンであった。

すぐれた作品に仕上がった背景には、監督の自由にスタッフにやらせてみる大らかさや、自由闊達にライター達に書かせた円谷プロ企画部・金城哲夫以下の懐の深さがあったればこそであろう。
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