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ウルトラマン(5) [初代マン・ドラマ]

《第21話 噴煙突破せよ》を取りあげます。

監修;円谷英二
脚本;海堂太郎
音楽;宮内国郎
特殊技術;高野宏一
美術;成田 亨
監督;樋口祐三

【毒ガス怪獣ケムラー(鈴木邦夫)】登場


▼大武市にある大武山(おおむやま)は、今は活動をしていない死火山である。だが、この大武山付近で、最近不可思議な現象が多発しているという情報が科特隊に入ってきた。大武山の麓を散歩していた中学生は、鳥の屍骸がたくさん落ちていると学校へ届けた。

また、大武山へハイキングに来た女性4人がお弁当を食べていると、急にガスが流れてきて、その中に巨大な目玉を見たという証言をした。川に魚の死体が浮いたり、一晩で木の色が変化したりということも・・・。

アラシはあまり気乗りがしないこの事件を、思わず女・子供の仕事だと言ってしまう。そこで科特隊の紅一点・フジ隊員は、自分がこの事件の調査に行くと告げるのだった。ムラマツ隊長は危険が無いモノと判断して、小型ビートルで出かけるようフジ隊員に命令した。

フジ隊員を乗せた小型ビートルが出発してしばらくすると、隠れていたホシノ少年が姿を現した。ホシノ少年は、かつて事件解決に貢献した功績を称えられ、科特隊準隊員として認められていた。今小型ビートルの助手席に乗っているホシノ少年は、科特隊のユニフォームを着た準隊員なのである。

大武山の麓へ小型ビートル機を着陸させたフジ隊員とホシノ準隊員に、大武山レストハウスの支配人がやって来て苦情を言うのだった。

ここ最近の大武山のウワサが元で、観光客が激減しているという。科特隊が調査に来たと言う話になれば、増々何かあるのではないかと疑われ、観光客が寄り付かなくなってしまうのが困るというのだ。

話をしている最中に、小さな地震が起きた。
『この辺は、地震が多いんですか?』
『最近、少し多いようですがね』

大武市には地震研究所があった。二人はそこへ調査に行ってみる。
『少し奇妙なのは、ここ一か月くらいの間、人体に感じないような微妙な揺れが、観測され続けていることです』

大武市の地震研究所でも異変の兆候を捕えていたことを、フジ隊員は確認した。報告を無線で聞いたムラマツ隊長は、総合的に判断して今後の事を決めると言って、帰投命令を出した。

『フジ隊員は、ホシノ君と直ちに帰還せよ』
『了解!』

この時、大武山の方からフラッシュのようなまぶしい光が光ったかと思うと、もうもうとした煙が小型ビートルに迫って来て、あっという間に視界がゼロになった。機内に入ってきた煙を吸った二人は、気を失ってしまうのだった。

小型ビートルとの連絡が取れなくなった本部では、ムラマツキャップから出動命令が出た。ビートル機で大武山上空へ来たものの、ガスで視界がゼロの状況だ。しかも、ビートル機の危険表示メーターが急激に上がり出した。

それはビートル機を取り巻いているガスが、危険物であることを示していた。ムラマツキャップは全員に防毒マスクを着けるよう指示して着陸した。大武山の火口へむかう一行の目の前に、火口から顔を出した巨大な怪獣ケムラー。

4人は一斉にスーパーガンを発射したが、あまり効果が無い。すると怪獣ケムラーは大きく口を開け、口の中が3回光ったかと思うと、濃い灰色の毒ガスを吐き出した。キャップは、一旦退却の命令を出した。

四つ足で這うように歩くケムラーは、大武山の火口から這い出ると町のある方角へ進み出した。ケムラーが前進していくその先には、小型ビートルがある。ホシノ準隊員が先に目を覚ましたが、周囲は毒ガスが充満していて視界はゼロだ。

フジ隊員を揺すって起こそうとしたが起きず、本部へ連絡を入れたが応答が無い。無線が壊れたと思ったホシノは、その時前方にかすかに見える巨大な影の存在に気が付いた。それはだんだんと近づいてくる。
『怪獣だ!』

ホシノは小型ビートルを飛ばそうと操作したが、ジェット噴射が出ているのにスロットルレバーを引いても推進力が出ない。刻一刻と怪獣は迫っていた。

その頃、ビートルに戻ってきたキャップたち4人は、一旦本部へ引き上げるために発進しようとしていた。だが、イデが発進に待ったをかけた。

『どうした、イデ?』
『あの音・・・』
『小型ビートルの音だ!』

『フジ隊員、こちらムラマツだ。無事だったか!』
『キャップ、ホシノです!フジ隊員も一緒です』

怪獣がすぐ近くまで迫っていることを伝えると、ムラマツキャップは指示通りやればできるからと言って、ホシノに操縦の仕方を指示した。

『まず酸素ボンベを開け・・・』
『操縦席に座ったら、スタンバイ①を押せ・・・』
『サイドレバーをあげろ・・・』

『よく音を聞け。音が変わったらジェットスイッチを入れろ・・・』
『続いてレバー②を入れろ・・・』
『スロットルレバー全開・・・』
『操縦かんを引け、発進!』

ゴーという音がして、小型ビートルは発進した。発進音が聞こえて成功したことが分かり、喜ぶイデやアラシ、ハヤタ達。

今まで小型ビートルがいた場所には、ケムラーの尻尾の先から発射された破壊光線が当り、爆発したのだった。狙われていた小型ビートル。間一髪、小型ビートルはホシノの行動力とムラマツキャップの適切な指示のおかげで、難を逃れた。

自動操縦に切り替えて本部へ向かう小型ビートルの操縦席で、ホシノは手袋をしたまま、手で額の汗を拭って笑顔になった。キャップたちのビートル機も、一先ず本部へ引き上げることにした。

防衛隊の攻撃で町への侵入を阻止する間に、ケムラー対策を立てる科特隊。イデは毒ガス中和剤の開発に取り組んでいた。研究室へやって来たホシノは、怪獣の弱点を攻める方法を考えろという。

『どんな怪獣にだって泣き所があるでしょ。そこを一撃でやっつけるんだよ!』
『うーん。泣き所をただの一発でね・・・』

『あの怪獣の背中を狙うんだ!』
『うーん、背中ね・・・』

大武山付近の町は、ケムラーの吐く毒ガスによって、死傷者が大勢出ていた。人口5万人の大武市へ入れては大惨事になる。防衛隊の戦車隊が攻撃を開始した。だがケムラーの前進を止めることが出来ない防衛隊。

ムラマツ隊長は、ビートル機でナパーム弾をケムラーの頭に直接落とす作戦をハヤタに命令した。地上からは、アラシがスパイダーで応戦する。

ナパーム弾を投下するが、効き目がない。尻尾の先から出す破壊光線が、ビートル機に迫る。ケムラーの背中に付いている二枚の甲羅が、ナパーム弾を寄せ付けないのだ。

ビートルがケムラーの背後から攻撃しようと迫った時、低い姿勢でジッとしていたケムラーの背中の甲羅が羽根を開くようにパッと開き、ビートルはそれに激突してしまうのだった。

ハヤタは一瞬早く脱出して、地面に向かって落下していく途中で、ベーターカプセルを焚いた。ウルトラマン登場。ケムラーのあごを右足で蹴り上げると、裏返しになったケムラー。

すぐに姿勢を戻すと、口中が光って毒ガスを吐くケムラー。少しひるんだウルトラマンは、態勢を立て直してスペシウム光線を発射した。だが、ケムラーには効き目がなかった。

ホシノのアイデアを活かして、イデが開発したマッドバズーカが完成した。弾丸は一発しかないので、効果を上げるためにもケムラーにできるだけ接近して撃つしかない。ケムラーの背中にあるコブのような部分を狙うのだ。

アラシの右肩にバズーカの頭部を乗せて後ろでイデが狙いを定めて撃つのだが、激しい動きの両者のため、狙いが定まらない。
『ウルトラマーン!頼むよぉ。ケムラーを撃ちたいんだ!』

ホシノ少年の声が届き、ウルトラマンは四つん這いのケムラーの頭をつかんで持ち上げると相撲のように組み合い、その背中をこちらへ見せるようにして動きを止めた。

バズーカ砲から爆音がして、急所に弾丸が命中!ドサッと倒れるケムラー。虫の息のケムラーは、最後の力を振り絞って大武山の火口へ身を投じて死んだ。

ガス中毒で入院しているフジ隊員を見舞うムラマツキャップ以下4名は、アラシ、イデ、そしてハヤタではなくホシノであった。ケムラーとの戦いでハヤタのビートルは撃墜され、行方知れずであった。ハヤタはパリ本部へ行っていて見舞いには来られないことにして、口裏を合わせる4人。

病室へ入った4人は、フジ隊員の快復した姿よりもハヤタがいたことに驚く。
『ハヤタ、やっぱり無事だったのか!』

皆、フジ隊員のお見舞いのことなど、すっかり忘れてしまったかのような騒ぎとなった。
『女・子供は、結局相手にされないもんね!』

ホシノ少年はそう言って、キャップたち男を失笑させるのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
今回は、ホシノ少年の活躍が大きい。ブルトンの回で事件解決に功績があったため、科特隊のユニフォームをキャップからプレゼントされたホシノ少年は、それ以来準隊員として活躍するのだ。

追伸:脚本の海堂太郎は、樋口祐三監督のペンネームであります。
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ウルトラマン(6) [初代マン・ドラマ]

《第29話 地底への挑戦》を取りあげます。

監修;円谷英二
脚本;南川 龍・金城哲夫
音楽;宮内国郎
怪獣デザイン;成田 亨
特殊技術;高野宏一
監督;野長瀬三摩地

【黄金怪獣ゴルドン(扇 幸二)】登場


▼埋蔵量日本一の金山から、急に金が取れなくなった。学者たちの調査でも原因はつかめていない。その後廃鉱となってしまったその金山から巨大な怪獣が出現したという一報が、科特隊に入ってきた。

その金山を持つ室生町(むろおまち)は、その怪獣のために全滅に近い被害を受けてしまった。
『黄金の肌を持った凶暴な怪獣で、地上よりも地底の方が速く行動できるらしい』

ムラマツキャップが、怪獣に関する情報を隊員達に教えた。地底での活動を得意とする怪獣に対し、科特隊はどう戦うのか。イデ隊員が設計した新兵器・地底戦車ベルシダーが完成していたのである。

ムラマツキャップは、直ちにベルシダーをビートル1号機に積むようイデに言うと、自分と共に行動するようイデに命令した。そしてハヤタ、アラシ、フジの3名はビートル2号機へ搭乗し、室生町で救助活動に当たるよう指示をした。

金山の斜面を崩して現れた怪獣は、自衛隊の火気など平気で暴れ回り、町は破壊つくされてしまった。全身が金色に輝くイモムシのような体つきで頭にツノを一本持った四つ足怪獣。

地底に潜ってしまう前に始末するよう、ビートル機からロケット弾を撃ち込んだが、怪獣は再び地底に潜ってしまった。

地上で抗夫が手を振っているのを見つけたイデとキャップは、ビートル機を着地させると、抗夫のもとへ向った。この抗夫の話では、2日前から友人がこの廃鉱に入ったまま出てこないと言う。金に取り付かれた男で、金を探しに入ったまま出てこないという。

だが、怪獣の出現で地下の坑内は滅茶苦茶なので、生きている見込みは無いという判断をしたキャップ。だが、救助要請を受けたムラマツキャップは、ベルシダーで潜ることを決めて、このことをビートル2号機のハヤタへ連絡した。

『我々はベルシダーで地底へ潜る。怪獣を地上へ追い上げるから、現れたらやっつけてくれ。それまで上空で待機。いいな』

2号機は室生町の救助活動を終えて、金山近くを飛行していた。いよいよ、イデ発明の地底戦車・ベルシダーが先端のドリルを回転させて、地底へ潜っていく。モグラのような形をしたコンパクトな地底戦車である。

『頼むぞ、ベルシダー!』
イデは計器類を撫でながら、そうつぶやいた。レーダーに映る影は、ベルシダーの3倍の速度で地底を移動していた。

しばらく進んでいくと、ベルシダーは突然大きなショックを感じて停止した。ドーンと落下した様子だった。
『これだな、問題の洞窟は・・・』

ヘッドライトを点けると、正面に人影が見えた。どうやら、救助要請をうけた男のようであった。
『我々は科学特捜隊の者だ。要請を受けて君の救出に来た。坑内は怪獣に破壊されて、出口なしだ。さぁ、早くこちらへ来なさい』

だが、男はその場を動こうとはしない。金の事が心配なのだ。しびれを切らしたイデが、男を連れに天然洞窟に降りていく。抵抗する男をようやくベルシダーへ収容すると、男は大怪我をしていた。

『いくら科学特捜隊でも、ゴルドンに手出ししたら承知しないぞ!この山の金鉱を発見したのは、この俺だ。その宝の山を、ゴルドンは一かけらも残さず食べてしまった。ゴルドンの身体は純金でできている。あの金は全部オレのものだ!』

怪我をしながらも、ムラマツキャップとイデに必死に訴える男。操縦席のイデがレーダーを見て、ゴルドンが近づいて来ると告げた。すぐに地上へ逃げなくてはならない。ヘッドライトを消して、様子をみる。

ゴルドンが掘った穴の後について行くよう命令するキャップ。相手の後方ならば攻撃を受けないからだ。男が時々狂ったように金の事を叫んで、操縦を妨害しようとした。男をなだめて後ろの席へ連れて行くイデ。

その間にゴルドンは方向転換して、ベルシダーの方へ向かってきた。仕方なく光線砲を発射して、応戦するベルシダー。だがゴルドンにはあまり効き目が無く、怒ったゴルドンにベルシダーは振り飛ばされて大きな衝撃を受けてしまう。

ゴルドンはベルシダーを無視して、地上へ出現した。上空で待機していたビートル2号が、ロケット弾で攻撃を始めた。だがタフな怪獣で、ロケット弾が尽きてしまう。

ハヤタの提案で、地底に棲むゴルドンは光に弱いだろうから、目を狙って強い光線を発するコロナ弾を撃つという作戦だ。ビートル機を降りて、3人はゴルドンに近づいていった。だが、ゴルドンが尻尾で地面を叩いた大振動で、フジ隊員が崖から転落して大怪我を負ってしまう。

ハヤタが十数メートル転落したフジ隊員を救助に行く間にアラシがゴルドンに近づき、コロナ弾を発射。明るさを嫌い暴れるゴルドンの心臓付近を、スーパーガンで狙い撃ちしたハヤタとアラシは、ゴルドンを倒すことに成功した。

『やったやった。キャップ、ゴルドンを倒しました!』
『3人とも、よくやった!異常はないか?』

フジ隊員の負傷を告げるハヤタ。幸いにも、意識はある。すぐにフジ隊員を病院へ運ぶように指示を受けるハヤタ。
『キャップ、大したことないわ。それよりも、早く上がってきてください・・・』

フジ隊員は、自分が大丈夫だと強調するために、キャップに話かけた。ところが、ベルシダーはゴルドンに振り飛ばされたショックで、大変なことになっていたのだ。エンジン部が故障して、前進も後進も出来ない。イデが必死に修理をしているところだ。

イデの修理が完了してエンジン部が始動し、前進を始めた。だが今度はブレーキ故障が見つかり、後退するためのギアにチェンジできない。しかも酸素供給器と冷房装置も故障してしまったのだ。イデは肩を落としてしまう。

『私の責任です・・・』
『努力を続けろ!最後まであきらめないのが、科学特捜隊の精神だ!』

こんな所で死ぬわけにはいかない。キャップは、必死にイデに喝を入れる。一方、地上のハヤタは、もう時間があまり無い事を感じていた。ベルシダーを救うことが出来るのは、ウルトラマンだけだ。ハヤタはフジ隊員をアラシに預けて、病院へ連れて行くよう促した。

その頃、ベルシダーでは、イデの働きでギアが直り、後退しながら地上へ向かっていた。ところが、何かに激しくぶつかって、止まってしまうのだった。地底には2匹目のゴルドンがいた。しかも今の衝撃で酸素タンクが壊れてしまい、機内の酸素が供給されなくなってしまった。

今は、何一つ使える武器が無いベルシダー。だが・・・地底魚雷が一発あることを、イデが思い出した。2匹目のゴルドンが迫っているため、地底魚雷を撃ってゴルドンを地上へ追い出す決死の作戦をする二人。

魚雷スイッチが近いキャップが体を伸ばしてスイッチを押し、発射に成功する。地底魚雷を受けた2匹目のゴルドンは、驚いて地上へ逃げだした。地上で待っていたのは、ウルトラマンだった。ゴルドンを見たハヤタは、フラッシュビームを焚いた。

ゴルドンにまたがって首を絞めにかかったウルトラマンの首に、ゴルドンの長い尻尾がクルクルと巻き付いた。その尻尾で、ウルトラマンは弾き飛ばされてしまう。だがもう一度ゴルドンにまたがったウルトラマンは、攻撃してくる尻尾を手でつかんで、ゴルドンの首に巻き付けてしまう。

そしてスペシウム光線を受けたゴルドンは、絶叫して絶命するのだった。そのあとウルトラマンは一度空へ飛び上がると、Uターンして山の斜面から地中へ潜っていき、地底空洞内で埋もれかかっていたベルシダーを発見、地上へ運んで来るのだった。

ムラマツキャップとイデ、そして救出した男が目を覚ますと、室内モニターには飛び去っていくウルトラマンの姿が・・・。

2体のゴルドンの屍骸からは150トンの純金が取れたため、それらは全滅した室生町の復興資金に充てられたということである。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
金に目がくらんだ男役で出演しているのは、ご存じ大村千吉氏。ワイアール星人に襲われる酔っ払いやテペト星人に襲われる釣り人などで、有名バイプレイヤーである。一目見ると忘れられないお顔の俳優さんである。

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ウルトラマン(7) [初代マン・ドラマ]

《第22話 地上破壊工作》を取りあげます。

監修;円谷英二
脚本;佐々木守
音楽;宮内国郎
怪獣デザイン;成田 亨
特殊技術;高野宏一
監督;実相寺昭雄

【地底人】
【地底怪獣テレスドン(鈴木邦夫)】登場


▼科特隊パリ本部の依頼で、極東支部のハヤタ隊員がパリへ派遣されることになった。任務内容は、国際宇宙開発軍のロケット操縦技術指導者であった。パリ本部から旅客機とモノレールを乗り継いでハヤタを迎えに来たのは、アンヌ隊員である。

サングラスをかけたこの女性が本当にパリのアンヌ隊員かどうか、ムラマツキャップは特殊な方法でそれを確かめるのであった。ムラマツキャップは手にしたガンを突然アンヌに向けてピカッと光らせると、アンヌは懐から自分の名を書いた金属板を差し出すのだった。

それを見たムラマツキャップは笑顔になって、うなずいた。
『本部隊員、アンヌ・モーハイムです』
『ようこそ、お待ちしておりました』

常時サングラスをかけたままのこのアンヌ隊員は、即日ハヤタと共にビートル機に乗り、パリ本部へ向かって出発した。

屋上でハヤタのビートル機を見送った四人は、その帰りがけにアラシが空にかかる真っ黒な色の虹を見つけるが、それは異変の予兆であった。部屋に戻った四人には、大変な事態が待ち構えていた。

ハヤタ機出発の知らせをしようとしても、パリ本部とつながらないのである。そればかりではない。衛星からの電波が乱れてテレビ中継が出来ない、国際電話の海底ケーブルが何等かの異常で混線したまま直らないとの情報も入ってきた。

ハヤタがアンヌ隊員と出発してから、奇妙なことが立て続けに起こったのである。キャップはイデとアラシをテレビセンターへ行かせて、もっと詳しい状況を収集するよう命じた。

テレビセンターでは、調査の結果、電離層には異常は無く、受信装置の故障でも無いのに、国内外からの電波を受けることが全くできなくなってしまっていた。これは、何者かによって電波妨害されているとしか思えないと言う結論であった。

イデとアラシは福山博士に話を聞いてみると、意外にも原因は科特隊にあるというのだった。福山博士の調査では、特捜隊ビルのある場所で最も鋭敏な反応を示していたからであった。

福山博士の言を確認するために、科特隊専用車で本部へ向かう途中、イデはハヤタとパリへ向かったはずのアンヌが歩いているのを見かけるのだった。

『おい、あれをみろ!アンヌじゃないか!ハヤタと一緒にパリへ立ったはずだが・・・』
『バカ、何を言ってるんだ。人違いだよ』
『しかしよく似ていたなぁ・・・』

イデとアラシが電波探知機を持って科特隊本部内を探し回ってみると、バリバリバリと凄い反応を示すポケットライター程の大きさの物体をふたりは発見する。福山博士に分解して調べてもらった結果、大変なことが判明した。

『恐ろしい発明です。電波を狂わせるケリチウム磁力光波を出す機械です。この大きさで東京一円の電波が妨害されるのですから・・・でも、もう回復したはずです』

早速ハヤタの乗ったビートル機と連絡を取るようフジ隊員に指示したが、連絡は依然取れなかった。こちらからの電波は出ているのだが、応答が無いという。福山博士は分解した部品の1個をピンセットでつまんで、妙な事を言うのである。

『このゲルマタント鉱石は、地下4万メートルにあると推定されている物で、まだ我々の世界では一度も使われたことが無いものです。一体だれが、これを特捜隊に・・・』

『ひょっとしたら、あの本部からきたアンヌという女が・・・、最近科特隊に足を踏み入れたのは、あの女だけでしょう?』

鋭い推理をするイデ隊員。だが、キャップもアラシも、キャップ自ら行った身分証明テストも合格しているし、他の天体にもゲルマタント鉱石がある可能性だってあると言って、宇宙人説を疑ってもアンヌ隊員を疑うことはしなかったのである。

ビートル機で宇宙パトロールから帰ってきたイデとアラシが東京近郊を飛行中に、空き地に車を停めて何かを調査しているサングラスをしたアンヌに似た女をイデは目撃する。

アラシは例によって人違いだと意に介しないが、念のためビートルを着陸させた二人は、近くまで接近してみようとする。すると、突然地鳴りがして崖崩れが起き、ふたりの存在はアンヌらしき女に知られてしまう。

急ぎ車で逃げる女を見て、アラシもイデもそれがアンヌであることを確認するのだった。そしてアンヌがいた場所には、なぜかハヤタの通信バッジが落ちていた。

本部へ帰って今日の出来事を報告したイデは、あの女は何かの目的を持って、地上の電波を妨害しにやって来たのに相違ないと推理するのだった。あのアンヌの正体を突き止めることが先決だと進言するイデに、ムラマツキャップは4人を3つの場所に分けて張り込むことを決めた。

テレビセンターに張り込んでいたイデは、そこで何かをしているアンヌを発見した。
『アンヌ隊員、そこで何をしている!ハヤタはどうした!』

ふたりはもみ合いになり、アンヌのサングラスがその勢いで外れると、アンヌの顔には両目が無かった。イデは驚いて、一瞬身体が氷付いてしまう。だが逃げる女をすぐに追いかけていく。すると、女は白色に輝く光を焚いて、怪獣テレスドンを呼んだ。

地響きを立てて地底から出現したテレスドンは、太い腕と尻尾で夜の街を破壊し始めた。イデからの連絡でアンヌはニセモノと分かり、また怪獣出現を受けて直ちにビートルが出撃した。テレスドンにナパーム弾を落とすが、テレスドンの分厚い皮膚はナパーム攻撃を持ちこたえてしまう。

ビートルのナパーム弾が底をついてしまった。口から火炎を吐いてビートルを襲うテレスドン。テレスドンの火炎攻撃にビートルはエンジンをやられ、垂直降下して地上攻撃に移るのだった。イデも、地上攻撃のキャップ、アラシ、フジと合流した。

その頃、ハヤタは・・・夢とも現(うつつ)ともつかない不思議な空間で、ベッドの上に寝かされていた。気が付いたハヤタの周りには、数人の男と一人の女が囲んでいた。

『ここはどこだ!』
『気が付いた?ハヤタ。今頃地上の世界は、メチャメチャになっているでしょう』
『地上の?・・・君はアンヌ隊員!』

ここは地下4万メートルの場所、地底人が住んでいる世界だった。アンヌに似た女がリーダーなのか、ハヤタに話しかけていた。

『我々地底人が、地球全体を征服する日が来たのよ』
『じゃあ、君は・・・』

アンヌに似た女はサングラスを取ると、両目が無かった。ハヤタを囲んで立っている男達も、サングラスを取ると両目が無かった。
『ああああ・・・(驚くハヤタ)』

『我々は、氷河期以前に地殻変動で地下に潜ってから、太陽の光を浴びる日をずっと待っていた。そして地上を破壊して、人間を奴隷にしてやるんだ!』

ウルトラマンがハヤタの変身であることを知っている地底人たちは、ハヤタに催眠マスクを着けてウルトラマンを自在に操ろうと考えた。

『君の意志を消して完全に催眠状態になった時、我々は君を思うがままに動かすことが出来るんだ。ハハハハ・・・』

地上では地底人の手先・テレスドンが地上を破壊している。そして今度は、ウルトラマンが地底人の先兵となって、地上を破壊してしまうのか!

『さぁウルトラマンになれ!そして世界を破壊するんだ!・・・フラッシュビームを焚くんだ!』
ハヤタは催眠によって、地底人たちの言う通りにフラッシュビームを焚いた。だがあまりの閃光の激しさに、地底人たちは全滅してしまうのだった。

N:【ウルトラマンは光の子であった。M78星雲からの正義の使者ウルトラマンは、たとえハヤタが意識を失っていようと、光の国のスーパーマンだったのである!】

テレスドンに立ち向かっていくウルトラマン。キック、岩石落とし、飛行機投げ、首投げ。テレスドンは地面に何度も叩きつけられ、二度と立つことは無かった。

ハヤタが科特隊本部に戻ってきた、本物のアンヌ隊員と一緒に。パリから日本へ来る途中で地底人に誘拐され、ニセのアンヌと入れ替わっていたのだ。改めて本物のアンヌ隊員と共にパリ本部へ向かうハヤタを、本部の屋上で見送るキャップたち。 (終わり)

※N:ナレーション
★★★★★★★★★★★★
今回の怪獣テレスドンは、ゴモラに匹敵するほどに強い怪獣だ。ナパーム弾が効かないのだ。鋭い口ばしのような口、厚い皮膚、そしてあの鳴き声。正統派怪獣の一つとして、エレキングに次いで好きな怪獣である。

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ウルトラマン(8) [初代マン・ドラマ]

《第20話 恐怖のルート87》を取りあげます。

監修;円谷英二
脚本;金城哲夫
音楽;宮内国郎
怪獣デザイン;成田 亨
特殊技術;高野宏一
監督;樋口祐三

【高原竜 ヒドラ(荒垣輝雄)】登場


▼伊豆の大室山公園(おおむろやまこうえん)は、大室山の麓(ふもと)にある動植物園である。夜間の見回りをしている警備員が、ここ最近、夜になると動物たちが泣き叫ぶ様子を目撃していた。以前には、こんなことは一度も無かったのである。

日中でも、飼育員に怪我をさせるような暴れ方をする動物が最近多くなったという。ある晩、警備員が巡回をしていると、大室山の山頂が緑色にピカッと数回光った。目撃した警備員はただ事ではないと思い、科特隊に急報したのであった。

ビートル機で出動した科特隊は、その晩は山頂が光らなかったため、明るくなってからリフトに乗って山腹を調査することにした。実は半年前頃から、大室山の山腹の木が枯れ始めるという異変が起きていた。学者に調査を依頼したものの、原因は不明であった。

作戦室で一人作業をしていたフジ隊員のところに、少年が一人突然入ってきて、妙なことを言うのであった。

『大室山公園の高原竜ヒドラが、暴れるよ』
『・・・なにが暴れるって?』

『高原竜ヒドラ・・・早くしないと、大変なことになるよ!』
『待って、坊やの名前は?』

少年はそれだけ言うと、質問には答えずに部屋を出て行ってしまった。最初はホシノ君の友達かと思ったフジ隊員だが、それにしても一人で入ってくるのはおかしい。

少年が出ていくのと入れ違いにイデ隊員が入ってきたので、出て行った少年の事を話すと、イデは誰にも会わなかったというのだ。イデは守衛室に確認をするが、猫の子一匹たりとも入れてないと逆に怒られてしまうのだった。

少年のことが気になるフジ隊員は、このことを伊豆大室山公園にいるムラマツキャップへ報告した。
『キャップ、大室山公園の高原竜ヒドラが暴れ出すと言ってきた少年がいます。念のため、調査願います』

この大室山公園には、巨大な高原竜の石像がある。恐竜と鳥を合わせたような姿をした怪獣で、この公園が開園する時に全国からデザインを募集して作った架空の怪獣であった。デザインが採用されたのは東京に住む小学生で、当時小学3年生のムトウアキラという少年だった。

詳細な情報を警備員から聞いたムラマツキャップは、それをフジ隊員へ連絡すると、イデと共に調査をするよう命令した。

ムトウ少年のいるあけぼの少年ホームに調査に出かけたフジとイデの両名は、ムトウ少年が半年ほど前に死亡していることを知る。山鳥が好きなムトウ少年は、夏休みに一人で山へ行き、国道87号線でトラックにはねられて死亡してしまったのである。

ひき逃げ事故なので、犯人はまだ捕まっていないという。ムトウ少年は怪獣が好きで、壁には自分が考えた怪獣の絵がたくさん貼られていた。数十枚ある怪獣の絵の中で、ひときわ目立つヒドラの絵。「ヒドラは本当にいるんだよ!」といつも言っていたことを、先生は思い出していた。

ヒドラの絵が当選して石像が完成した時の喜ぶ顔が、今でも忘れられないと先生は言う。たくさんの怪獣の絵の横にあるムトウ少年の遺影を見たフジ隊員は驚いた。
『あっ、この子だわ。本部に現れたのはこの子なのよ!』

その晩、キャップ、ハヤタ、アラシの3名が大室山を見回っていると、突如暗闇を突いて緑色に光った山頂が三つに割れ、その割れ目から怪獣が出現した。その姿は、ムトウ少年が言っていた高原竜ヒドラそのものだった。

斜面を崩した土砂が大室山に登るリフトを破壊し、被害は麓の動植物公園にも及んでしまった。スパイダーショットとスーパーガンでヒドラを攻撃する三人に、大空へ舞い上がったヒドラは口から火炎を吐いて三人を威嚇すると、そのまま夜の闇へと消えてしまうのだった。

『ヒドラは一体どこへ行ったんだろう?』
『一時は逃げたとしても、帰巣本能があるから必ず舞い戻ってくるはずだ』

ハヤタの言う通り、ヒドラは再び舞い戻ってきた。そして国道87号線(ルート87)を走る自動車だけを攻撃の対象としていた。少年が轢かれたルート87で、少年の仇を討とうとでもしているようなヒドラ。

出撃命令でビートル2号機に搭乗したハヤタもアラシも、ヒドラが車を襲う理由をひき逃げされた少年の魂がそうさせているのではないかという意見で一致していた。

だが、科特隊の使命は人間に害を与える者を排除することである。どんな怪獣であっても人間の敵となるからには始末しなければならないのだ。ビートル1号機のキャップは、イデとフジにそう告げて攻撃を開始した。

2機のビートル対ヒドラの空中戦になっていく。2号機のロケット弾はヒドラに命中するが、びくともしないヒドラは2号機と空中で接触し、2号機は不時着を余儀なくされてしまう。アラシは打撲程度で済んだが、ハヤタは左腕を負傷して意識を失っていた。

ハヤタが近くの救護所で手当てを受けている頃、アラシは次の作戦としてタンクローリーを運転していた。タンクローリーをヒドラに襲わせ、襲われる直前に運転席を脱出したアラシが、ヒドラのつかんだタンクローリーをスパイダーショットで撃ち爆発させる作戦だ。

作戦は上手く運び、ヒドラの胸に大怪我を負わせることができた。だが、怒ったヒドラはアラシに迫っていく。スパイダーショットのエネルギーが無くなり、アラシはピンチに立たされてしまう。

救護所で手当てを受け左手を包帯で吊っているハヤタは、救護所を抜け出すとウルトラマンに変身した。ウルトラマンはヒドラから口ばし攻撃を受け、顔をつつかれて気を失ってしまう。

しばらくして気が付くと、再び顔をくちばしで攻撃してくるヒドラにウルトラマンはスペシウム光線を発射するが、空へと逃げられてしまう。ヒドラを目で追いながらスペシウム光線を再び発射しようとして、ウルトラマンは思い止まるのだった・・・

ビートル1号機に乗っているフジ隊員には、ヒドラの背に乗っているムトウ少年の姿が見えていた。
『ウルトラマン、ヒドラを殺してはいけないわ!』

ムトウ少年の姿は、ウルトラマンにも見えていたのだろう。ヒドラをしばらく目で追っていたウルトラマンは、フジ隊員の声を聞いて十字に組んだ腕を解いたのだった。

『あれ、ウルトラマンの奴、わざとヒドラを逃がしたぞ?なぜスペシウム光線を発射しなかったんだろう・・・』

イデが不思議そうにそう言うと、イデの向こうに見えるウルトラマンに向かって、フジは言った。
『ウルトラマンには解かってたんだわ・・・ウルトラマン、ありがとう!』

ヒドラは、そのままどこかへ飛んで行ってしまった。そしてウルトラマンも・・・
『シュワッキュ!』

大室山公園の高原竜ヒドラ像の前に立つ科特隊のメンバー。
『このヒドラは、自動車事故で不幸な死を遂げた多くの少年達の化身なのかもしれない・・・』

この事件がきっかけで、ムトウ少年をひき逃げした犯人は警察に自首したと言う。
『これでアキラ君も天国へ行けるわね、良かった!』

それにしても、フジ隊員の目にだけムトウ少年の姿が見えていたのは何故なのだろう?科特隊男性隊員全員の疑問が残る。

『結局、純真な心の持ち主には、普通の人には見えないものが見えるっていうことじゃないかしら・・・ねぇキャップ?』
『一本やられたな。ハハハハハ・・・・』 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
古谷敏氏が金城氏に、ウルトラマンはドラマではいつも怪獣を退治するけど、たまには助けることは無いの?という会話がヒントになって、このシナリオは作られたという。ちょっぴり感動する内容だよね。

感動とはまったく反対の位置にある話を。ビートル2号機に乗り込みヒドラを攻撃するハヤタとアラシの座席の位置が、カットが変わると入れ替わっているのはどうしたわけ?(笑)

戦後の国道整理で、87号線は欠番となっているそうである。

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