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帰ってきたウルトラマン(4) [新マン・ドラマ]

今回は、第1話 《怪獣総進撃》を取りあげます。

脚本;上原正三
主題歌;すぎやまこういち
音楽;冬木 透
美術;池谷仙克・高橋昭彦
ナレーター;名古屋 章
特殊技術;高野宏一
監督;本多猪四郎

【ヘドロ怪獣 ザザーン】
【オイル怪獣タッコング】
【凶暴怪獣アーストロン】登場


▼世界各地が異常気象に覆われ、日本列島でも毎日のように起こる小地震が地殻の変動を進めて、遂に怪獣達が一斉に目を覚ました。東京湾に出現した二大怪獣の為に、勝鬨橋は簡単に破壊されてしまうのだった。

全身が海草のようなヘドロで覆われている緑色の怪獣ザザーンと、赤紫色の体色で全身にタコの吸盤を付けた怪獣タッコング。二匹とも怪獣王は俺だと言わんばかりに、相手との殴り合いをしている。

このような怪獣の出現を想定して組織された怪獣攻撃隊MAT。「マット」と呼ばれるこのチームは、モンスター・アタック・チームの略称で、国際連合の地球防衛組織に属する特別チームであった。加藤隊長と4人のメンバーで構成されるエキスパート集団であった。

『怪獣を都心に入れては大惨事になる。南、岸田、上野。君達は空から攻撃しろ』
『はい、出撃します』

オレンジ色のユニフォームで身を固めた精鋭が、マットアロー1号、2号で出撃した。加藤隊長はチームの紅一点・丘隊員を連れて、マットビハイクルで現場に行き、状況を見極めながら次の作戦を考えるのだ。

その頃、坂田自動車修理工場の小学生・坂田次郎君が騒いでいた。
『怪獣だぁ、怪獣だよ!兄ちゃん、この車怪獣に壊されたらどうするの?』

レースカーの流星号を修理中の年齢の離れた兄・坂田健に、そう問いかける次郎。騒ぎを聞いて、姉のアキも集まってきた。車両の下に潜って修理をしていた郷秀樹が、顔を出して次郎に言った。
『怪獣?』

好奇心が旺盛な次郎は、近くまで行って怪獣を見たくて仕方がないのだ。
『次郎、止めるんだ!』

片足の不自由な兄の健には、次郎を追いかけることが出来ない。郷は坂田の代わりに、次郎の後を追って走っていった。

MATの戦闘機2機が、攻撃を開始した。ロケット弾を撃ち込むマットアロー2号。マシンガンで攻撃するマットアロー1号。だが二匹の怪獣はお構いなしに格闘を続け、どちらかが倒れるたびにビル群はメチャメチャに破壊されてしまうのだった。

ザザーンはタッコングに食いちぎられて、手足をブルブル振るえさせると息絶えてしまった。好奇心の強い次郎は警察の非常線をかいくぐると、怪獣がよく見える所まで行き、そのビル影で2匹の戦う様子を観察していた。郷も次郎の後を追って、やっと捕まえた。

『次郎!』
『郷さん、怪獣!』

ザザーンが倒れた後、タッコングが一匹で大暴れしている。
『さぁ、帰るぞ・・・』

後から郷たちがいる場所に走ってやって来たのは、MATの加藤隊長と丘隊員と女性。女性の子供がアパートの屋上にいるハト小屋のハトを逃がすと言ってアパートに向かって行ったため、MATに救助を求めてきたのだった。

アパートの階段を上っていく子供の姿を確認した郷は、助けに行こうとする丘隊員を制して自分が走っていった。郷は屋上で、子供と一緒にハト小屋のハトを逃がすと、タッコングが迫っているアパートから急いで子供を連れて逃げた。

もう近くまでタッコングは迫っていた。狭いビルとビルの間を強引に進んでくるタッコングは、次々とビルを破壊していく。郷と子供は、遂にタッコングの破壊したビルの破片に押しつぶされてしまう。

ガレキの山の中で、子供が潰されないように郷が踏ん張っていたおかげで、子供はかすりキズ程度で済んだ。郷は子供が無事に逃げ出すのを見届けると、重たいガレキの圧力に屈してしまうのだった。

その時。それまで好き勝手に破壊を繰り返していた怪獣タッコングが動きを止め、激しい発光のあと逃げるように海中へ没していった。

『今の光りは何だ!?』
加藤隊長も見た、強烈な光の正体は何か。その頃、郷秀樹は重体で病院へ搬送されていた。

親代わりの坂田が病室に入ってきて、励ますように郷に呼びかける。
『聞こえるか郷!流星号は完成したぞ。いつでも走れるんだぞ!』

今や、郷の命は風前の灯であった。郷の呼吸の様子を示すフラスコの気泡が、遂に出てこなくなってしまう。手術の甲斐も無く、臨終を迎える郷秀樹。

『郷さん!』(アキ)
『郷さん、死んじゃイヤだ!』(次郎)

加藤隊長は、横たわる郷に黙礼をした。坂田は涙を見せまいとして顔を背け、ロザリオを郷の胸の上にそっと乗せるアキ。

その晩、郷が乗るはずだった流星号を、送り火にして天国へ走らせた坂田三兄弟。花束と、アキは写真を、次郎は好きなプラモデルを乗せて、ガソリンを注いで燃やす坂田。
『郷・・・俺がお前にしてやれることは、せいぜいこの程度だ。あんまり飛ばすんじゃないぞ・・・』

同じ日の晩、病院である事件が起きた。郷秀樹が蘇生したのだ。目を開ける郷。
『ここはどこだ?俺は一体どうしたんだ?』
郷は、夢を見たような気がした。夢の中で誰かが自分に語りかけていた。

『郷秀樹!私は君の勇敢な行動に感激した・・・私はこのままの姿では地球上に留まることが出来ない。そこで君に命を預ける。地球の平和と人類の自由の為に、共に頑張ろうではないか!』

あの時タッコングが強烈な光を浴びたあとに逃げるように海へ潜ったのは、ウルトマンがスペシウム光線をタッコングに浴びせたからだった。加藤隊長が見たまぶしい光の正体と、タッコングのおかしな行動の原因はこれだった。

蘇生した郷秀樹は、坂田のもとへ戻って来た。だが流星号はすでに灰になり、ガラクタと化していた。
『流星号にあなたの魂を乗せて、送り火にしたのよ・・・』

坂田アキは生きて戻ってきた郷に嬉しさを隠せない一方で、茫然とした郷に自分の笑顔を見せるわけにもいかないと思った。

郷は坂田に、もう一度流星号を作ろうと願い出るのだが、坂田は話を違う方向へ持っていく。
『君は今日から、あの人所へいくんだ。MATチームの一員として、ぜひ君を欲しいとおっしゃっている』

マットビハイクルで加藤隊長が到着すると、坂田は郷にそう言った。
『君の不屈の精神力と強靭な肉体は、我がMATチームにふさわしい。来てくれるね!郷君』
『急にそんなこと言われても、俺・・・』

そんな時、郷の耳に何かの咆哮(ほうこう;獣などがたけりさけぶこと)が聞こえてくる。「誰かが俺を呼んでいる」と思った郷は、工場に置いてある車に乗ると、自分でもわからないがどこかへ向かおうとしていた。郷はまだ自分にウルトラマンが乗り移ったことを知らない。

郷は一度死んで、ウルトラマンの命をもらって蘇生したことに、まだ気付いていなかった。加藤隊長のもとにも、怪獣出現の連絡が本部から入った。朝霧火山から出現したのは、ゴジラタイプの正統派怪獣アーストロン。口から吐く熱線で村を焼き払っていく。

MATは地上からマットシュートで攻撃するが、熱線を吐かれて炎が周囲に回り、退避するしかなかった。郷秀樹は、ウルトラマンの超能力によって怪獣の出現場所を知り、車で300キロ走って朝霧火山までやって来た。

途中で倒れた家の一部に足をはさまれている老人を郷は自分だけの力で必死に助け出すと、キラキラと輝く「ウルトラマンの光」が出現して郷を変身へと導く。郷は両手を広げてウルトラマンに変身した。

何度もチョップを繰り出すウルトラマンに、アーストロンはひるむことなく向かってくる。アーストロンの吐く熱線がウルトラマンに命中し、劣勢になるウルトラマン。

ナレーション; ウルトラマンのエネルギーは3分間しか続かない。カラータイマーが青から赤に変わると危険信号だ。ウルトラマン頑張れ!

首投げから飛行機投げに持っていき、頭部の一本ヅノをへし折ると、アーストロンは戦意喪失した。スペシウム光線を頭部に受けたアーストロンは、火口に落ちて爆発してしまうのだった。

郷秀樹は、自分でもよくわからないうちに朝霧火山付近の河原で倒れていた。郷の脳裏に声が聞こえてくる。

『郷秀樹、私はウルトラマンだ。君は一度死んだ。そこで私の命を君に預けたのだ。君はもうウルトラマンなのだ!これは君と私だけの秘密だ』

『俺はウルトラマン。俺の使命は、人類の自由と幸福を脅かすあらゆる敵と戦うこと・・・』 (つづく)


★★★★★★★★★★★★
第一話は、三体も怪獣が出てくるという大盤振る舞いの話である。あのカッコいいアーストロンがあの程度で負けてしまうのは、なんとしても勿体ない気がする。久々のウルトラマンの話に、子供時代の筆者もウキウキしたことをよく覚えている。若い人は知らないと思うけど、「肝っ玉かあさん」とのツーショットもあった(笑)

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帰ってきたウルトラマン(5) [新マン・ドラマ]

今回は、第2話 《タッコング大逆襲》を取りあげます。

脚本;上原正三
主題歌;すぎやまこういち
音楽;冬木 透
美術;池谷仙克・高橋昭彦
ナレーター;名古屋 章
特殊技術;高野宏一
監督;本多猪四郎

【オイル怪獣タッコング】登場

【前回までの話は・・・
世界的な異常気象の影響で、日本でも怪獣達が目を覚ましていた。東京湾に出現したタッコングはザザーンを倒し、町を破壊しながら暴れ回るが、地球に帰ってきたウルトラマンによって一度は退けられてしまう。
子供や仔犬の命を救うためには危険を顧みず、自らの命を落としてしまった郷秀樹青年の行動に感動したウルトラマンは、死んだ郷に乗り移って自分の命を託すことにした。ここにウルトラマンの超能力を持った人間・郷秀樹が誕生し、平和と人類の自由のために戦うことを決意する・・・】


▼MATに入隊した郷秀樹は、剣道や柔道、射撃などでチームの先輩たちを上回る成績を出した。郷をMATの一員として迎えたことについて、自分の目に狂いは無かったことを喜ぶ加藤隊長。

一方、ウルトラマンが自分に乗り移っていることで身体能力が大幅に向上していることに、郷は嬉しさと同時に自惚れが生じていることに、自身は気づいていなかった。

海中に逃げたまましばらく現れなかったタッコングが、海面に浮くオイルプラント施設を襲った。これ以上被害を出さないためにも、仕留めるつもりで出撃したMATだったが、またしても海中へ逃げられてしまうのだった。

東京湾内を棲みかにしていることが調査で分かり、タッコング撃滅作戦を練るMAT。郷秀樹を入れて6名いる隊員全員が、六角形のテーブルを囲んで作戦会議に臨んだ。

『マットサブで、海底攻撃をするべきだと思う』
『確実に撃退できる作戦が無い限り、海底まで追う必要は無いと思う。失敗して上陸されるよりはマシだ』

いろいろな意見が出たが、加藤隊長の考えはこうだ。
『マットサブ1号と2号で海底を探索し、発見次第、互いに連絡を取り合いながら挟撃作戦だ。Z弾は出来るだけ接近して、口の中へ撃ち込め・・・解かったな、郷』

加藤隊長は、実戦経験の無い郷に念を押した。
『解りました、隊長。安心して見ていてください』

『実戦は射撃場とは違う。甘く見るなよ』
射撃で郷に負けた岸田は、先輩隊員としての意見を述べた。

『任せておいてください』
『こいつ、やけに自信満々だな・・・』

実戦を一度も経験していない郷の言葉や態度に表れる自信は何なのか。剣道で負けた上野は、郷の態度や言葉に不安なモノを感じた。加藤隊長は、最後にもう一度念を押した。
『作戦はあくまで冷静沈着に、協力しておこなうように!』

マットサブ1号に南と郷、2号に岸田と上野が乗り、海底探索を行っていく。1号がタッコングをソナーで発見、すぐに2号へ連絡した。

『南隊員、見つけ次第やっつけちゃいましょうよ!』
『作戦は忠実に守るんだ。俺たちだけでやって、失敗したらどうするんだ。2号を待って、攻撃開始だ』

しかし郷は、目の前に出現したタッコングを見た途端、2号を待たずにミサイルのレバーを引いてしまう。二本のミサイルを撃ち込まれたタッコングは傷を負い、マットサブ1号に襲いかかってきた。払い落とされて海底に激突したマットサブ1号内では、南隊員が負傷したうえに気を失ってしまった。

郷は両手を広げてウルトラマンになれ!と心の中で叫んでみるが、ウルトラマンにならない。
『どうしたんだ!ウルトラマンになれ・・・どうして変身しないんだ!』

作戦が失敗して戻ってきたマットサブ1号と2号。作戦室で岸田が叫んだ。
『勝手に攻撃しておいてその上逃がすなんて、なってないぞ』

2号艇の岸田が、作戦の失敗について南を非難した。
『すまん。1号の艇長は俺だ。俺が撃てと言ったから郷が撃ったんだ。責任はすべて俺にある』

右手と頭に傷を負った南は、自分にだけ処分を下すよう、隊長へ申し出た。
『そうはいかん・・・郷は作戦を無視して、勝手な行動を取った。従って隊員としての資格は無い。直ちに辞めてもらう!坂田さんの所へ帰り給え!』

加藤隊長は、録音されていたマットサブ1号内での南と郷の会話を皆の前で再生して、真実を公表した。

『隊長。郷は初めての出撃で、気が動転していたんです。誰にでもあるミスじゃないですか!』
『郷の取った行動はミスではない。身勝手な思い上がりだ!』

南は、郷にもう一度チャンスを与えようと隊長に食い下がったが、加藤隊長の郷に対する憤りや落胆は大きく、リーダーとしてとても許せるものではなかった。

郷は荷物をまとめて、坂田自動車工場に戻ってきた。あのとき、どうしてウルトラマンになれなかったのか?心の中で広がる疑問。
『加藤隊長から連絡があった。郷を返すと言ってきたよ・・・』

もう一度流星号を作ってレースに出場する夢を持ちかけた郷を、坂田は断った。「お前と一緒に組む気持ちは、もうない」と郷を怒らせる言葉をわざと発して、郷に一人で考える時間を与えようとする坂田健。

坂田自動車工場を飛び出してきた郷は、地面に仰向けになって青空を見ながら、一人になって考えてみた。そして、ウルトラマンであることに思いあがっていた自分、ウルトラマンであることを誇らしく振り回そうとしていた自分に気付く。

まず、郷秀樹として全力を尽くし努力しなければならなかったのだ。今の郷の心に、そう反省する気持ちが芽生えていた。

タッコングが再び上陸して、石油コンビナートを襲撃して来た。郷が抜けて5人となったMAT。さらに南が負傷しており、加藤隊長は南を基地へ置いて4人で出撃した。マットアロー1号で攻撃する岸田と上野。地上から避難誘導をする隊長と丘。そこに怪我をおして、南がやって来た。

地下の機械室に閉じ込められた作業員達を、救出に向かう南。機械室に着いた南は、通ってきた地下通路がガレキでふさがれてしまった事を作業員達に伝え、残りの出口を探した。

地上へつながるマンホールに登るしか手段が無いことが解り、すぐにその方法で脱出を試みるが、タッコングが壊したオイルタンクのオイルが流れ出して、マンホールからオイルが落ちてきた。これでは、すぐにも火が回るかもしれなかった。

自分のやるべきことを見つけた郷は、現場へ駆けつけてきた。郷の姿を見つけた加藤隊長は、心の中で喜んだ。
『郷。必ず来ると思っていた・・・』

地上からマンホールのふたを開けて中の様子を覗いた郷は、南と4名の作業員を確認すると、ハシゴを伝って下へ降りて行った。地下機械室内は煙が立ち込めていて、救助にきた南も呼吸するのがやっとだった。

『南隊員!』
『おお、郷か。この人達を早く・・・』

一人ずつ肩へ担いで、加藤隊長の所まで運ぶ郷。だが三人目を運ぼうとしたところで、室内に炎が広がってきた。郷は必死に炎を消そうとしたが、もう限界が来ていた。その時、「ウルトラマンの光」が郷を変身へと誘った。

両手を広げた郷は、ウルトラマンに変身した。地下にいた残りの作業員と南隊員を助けだしたウルトラマンは、タッコングに向かって行った。タッコングの口からオイルが吐き出された。

一瞬ひるんだウルトラマンだが、タッコングの右手を引きちぎると、少し後ろに下がって必殺スペシウム光線を放った。タッコングは動きを止めると吸盤のような穴から炎を噴き出し、やがて大爆発して粉々になってしまった。

坂田自動車工場に、マットビハイクルで加藤隊長と郷がやって来た。親代わりの坂田のもとへ返して何かをつかんでくれた郷は、今度の事件でMATの隊員に恥じない仕事をやり遂げた。郷を立ち直らせてくれたことにお礼が言いたくて、加藤隊長は寄ったのだった。

坂田はMAT隊員として立ち直った郷に、思いがけないプレゼントを贈るのだった。
『隊長にお願いがあります。休暇の時に郷を貸してください。流星2号を作りたいんです』

坂田に一度断られた流星号で優勝する夢。だが、それは坂田の愛のムチであったことを、今になって知る郷だった。
『俺たちの夢だ・・・大事に育てていこう!』

涙を流して喜ぶ郷に、そっとハンカチを渡すアキ。この一瞬に幸せを感じているアキであった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
人間は「力」を手に入れると、それまでの生き方がウソのように変わってしまう、弱い生き物だと思う。巨大な権力を持つようになったり、一生かかっても手に入らないような金額のお金が急に手に入ったりしたときなど、自分の環境の急激な変化によって性格までも変わってしまう例が、歴史上の人物にも見受けられる。郷秀樹もウルトラマンの能力を身に着けたことで、一時思い上がってしまうように・・・

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帰ってきたウルトラマン(6) [新マン・ドラマ]

今回は、第18話 《ウルトラセブン参上!》を取りあげます。

脚本;市川森一
主題歌;すぎやまこういち
音楽;冬木 透
怪獣デザイン;熊谷 健
ナレーター;名古屋 章
特殊技術;佐川和夫
監督;鍛治 昇

【宇宙大怪獣 ベムスター】登場


▼MATステーションは、地球から1000キロ上空で静止している宇宙ステーションである。地球へ侵入してくる宇宙からの敵に備え、常に目を光らせている。ここの梶キャプテンとMAT本部の加藤隊長とは、大学時代からの親友であった。

梶キャプテンには、来月子供が誕生する。子供の為に地上勤務に就くよう話かける加藤隊長に、地上は自分の柄じゃないと嬉しそうに応える梶キャプテン。楽しい話を終えた梶キャプテンに、次々と異常事態の報告が入ってきた。

『ステーション内の電圧が、急激に下がっています!』
『発電機を点検しておいてくれ』

『信じられないことに、ステーション内の酸素が外へ流れ出しています!』
『コントロール室へ。液体酸素タンクを点検せよ!』

次々と起こる異常事態に梶キャプテンは素早く対応するが、事はこれだけでは収まらなかった。
『レーダー室より計器室へ。ステーション頭上500メートルの位置に浮遊物体を発見。垂直に接近中!』

その間にも計器類の針は、どんどんゼロを示していくものばかりであった。隊員の一人が、天井を指差して叫んだ。
『キャプテン、あれを!』

計器室の天井にある丸い窓に、どんどん近づいて来る五角形の口のような物体。その中心部には舌のように見える赤い物が生き物のように動いて、ドロドロとした白い粘液を出していた。

ゴーンという大きな音がして、前方の窓にその物体の顔のような部分が見えた。直ちにレーザー砲で攻撃を開始したが、その物体はレーザー光線を吸収しているのだった。ステーション内のエネルギーが、その物体によってすべて吸い上げられていた。

通信係が、直ちにSOSを地上へ発信した。
『MATステーションよりMAT本部へ。非常事態発生!非常事態発生!宇宙空間より怪獣襲来。正体は・・・』

MATステーションとの通信が途絶えてしまった。MAT本部から加藤隊長が必死に呼びかけているが、返事が無い。
『MATステーション、応答せよ!応答せよ!』

その間にも、MATステーションを襲った巨大怪獣は、腹部の大きな口でステーションの一部を飲み込み始めた。計器室の丸い窓にヒビが入ったため、梶キャプテンは総員に退避命令を出した。

計器室を出た隊員達は、廊下を通って次の部屋へ行こうとしたのだが、この先にあるハッチが破られてしまい、これ以上先にも後にも進めなくなってしまった。梶キャプテンと行動を共にしていた数名の隊員達は行き場を失い、この場で立ち往生するしかなかった。

MATステーションを襲った怪獣は、遂にステーションを丸飲みすると、次の目標の地球へと針路を向けて翼を羽ばたかせた。

『遠隔レーダーが、成層圏内を浮遊中の物体をキャッチした。MATステーションを飲み込むほどの奴だ。巨大な生物にちがいない。慎重に、見つけ次第撃ち落とせ!ミスは許さん!』

いつも冷静な加藤隊長の気持ちは、たかぶっていた。親友の命を奪った怪獣だ、絶対に逃がすわけにはいかない。マットアロー1号で南と上野に出撃を命じた。
『必ず仇は取ってやるぞ、梶!』

マットアロー2号にミサイルを搭載して、岸田と郷に出撃を命令した。怪獣の頭部にあるツノから出す破壊光線でアロー1号は撃墜され、南と上野は負傷してしまう。アロー2号に積んだミサイルも、この怪獣には歯が立たない。加藤隊長は、仕方なく岸田と郷に帰還命令を出した。

梶キャプテンの奧さんのもとへ行き、加藤隊長は辛い報告をしなければならなかった。怪獣は姿を消して、その後しばらく姿を現さなかった。その間に、先の戦闘でアローが撮った航空写真を分析し、怪獣の正体が判明した。

『こいつは、明らかに宇宙怪獣だ。かに星雲に棲む宇宙生物ベムスターだ。MAT航空医学センターの分析資料によれば、ヤツは水素、窒素、ヘリウムなどのガス源をエネルギーとしている』

ベムスターは、夜間にガスタンクを狙いに現れた。ベムスターはガスタンクの上に静かに舞い降りると、空気を抜かれたボールの様にガスタンクはしぼんでいく。

食っている最中のガスタンクに向けて、レーザー光線を発射した2機のマットアローだったが、ガスタンクが大爆発して炎を巻き上げてもベムスターはビクともしなかった。

『必ず息の根を止めてやる!』
加藤隊長は、撃墜されたアロー2号から負傷した岸田を救助すると、そうつぶやいた。

第二地区のガスタンク付近に、再び現れたベムスター。一人乗りのマットアロー2号で出撃した加藤隊長は、今度こそ梶キャプテンの仇を取るつもりで、必死の攻撃を仕掛ける。郷は怪獣出現の連絡を受け、マットビハイクルで現場へ到着した。

ベムスターへ挑むため、炎の中へ走っていく郷。「ウルトラマンの光」が郷を変身へ導く。ウルトラマンにとって、地球へ来て初めて戦う宇宙怪獣であった。

ウルトラマンは、右肩からのショルダータックルで一度はベムスターを倒したが、起き上がって組んで戦うと体力負けしてしまうのだった。必殺のスペシウム光線を放ったが、腹部の五角形部分に全て吸収されてしまい、ウルトラマンはショックを受ける。

カラータイマーが赤く点滅し、エネルギーがわずかなウルトラマンは防戦一方となり、戦う気力を失って飛び去ってしまうのだった。

『太陽よ・・・この私をもっと強くしてくれ。この私に、ベムスターと互角に戦える力を与えてくれ!』
『ウルトラマン。これ以上、太陽に近づいてはならない。引き返すのだ、ウルトラマン!』

忠告を無視して太陽に向かって飛ぶウルトラマンは、遂に太陽の引力圏に捕らえられ、飛行姿勢のバランスを失って太陽に吸い寄せられていく。それを助けたのは、ウルトラセブンであった。

『お前にこれを与えよう。ウルトラブレスレットだ』
セブンの右手からウルトラマンの右手にそれは渡り、そして左手首にピタッとはまった金色に光る腕輪・ウルトラブレスレット。

『これさえ身に着けておけば、いかなる宇宙怪獣とも互角に戦えるだろう。さぁ地球へ戻るのだ、ウルトラマン!』

その頃、地球ではウルトラマンが敗れたあと、加藤隊長は残りのミサイルをすべて使ってベムスターを攻撃し続けていた。だが、ベムスターの破壊光線を受けたアロー2号は撃墜され、炎が機体に回っていた。

加藤隊長は遠くなる意識の中で、ウルトラマンが帰ってくるのを見た。ウルトラマンは墜落していくアロー2号を空中で受け止めると、地面にそっと置いた。
『ウルトラマンが、帰ってきた・・・』

ウルトラマンはベムスターに水平チョップを一発見舞うと、ウルトラブレスレットを左腕から外して右手に持って高くかざすと、それはスパークしてベムスターの動きを金縛りのように止めた。

動かなくなったベムスターへブレスレットを投げつけると、それは白い光となってベムスターの両手と頭部を斬り落として、ブーメランの様にウルトラマンの手に戻ってくるのだった。ドサッと地面に落ちて、ボォッと燃え上がるベムスターの骸(むくろ)・・・

加藤隊長はアローの中で、ウルトラマンがベムスターを倒すのを見た。嬉しさがこみ上げてきた。苦しい戦いの末に、ようやく仇は取った。
『やったぞ・・・梶!』

郷が加藤隊長を迎えに行くと、足を引きずり血を流しながら、怪我の手当てよりも先に、梶の奧さんにこの勝利を伝えたいと言う加藤隊長。郷はマットビハイクルに加藤隊長を乗せて、梶キャプテンの奧さんのもとへ向かうのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
梶キャプテン役で出演しているのは、キリヤマ隊長とは盟友のクラタ隊長役でお馴染み、南廣氏である。今回は出番が少なくて残念!
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