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帰ってきたウルトラマン(5) [新マン・ドラマ]

今回は、第2話 《タッコング大逆襲》を取りあげます。

脚本;上原正三
主題歌;すぎやまこういち
音楽;冬木 透
美術;池谷仙克・高橋昭彦
ナレーター;名古屋 章
特殊技術;高野宏一
監督;本多猪四郎

【オイル怪獣タッコング】登場

【前回までの話は・・・
世界的な異常気象の影響で、日本でも怪獣達が目を覚ましていた。東京湾に出現したタッコングはザザーンを倒し、町を破壊しながら暴れ回るが、地球に帰ってきたウルトラマンによって一度は退けられてしまう。
子供や仔犬の命を救うためには危険を顧みず、自らの命を落としてしまった郷秀樹青年の行動に感動したウルトラマンは、死んだ郷に乗り移って自分の命を託すことにした。ここにウルトラマンの超能力を持った人間・郷秀樹が誕生し、平和と人類の自由のために戦うことを決意する・・・】


▼MATに入隊した郷秀樹は、剣道や柔道、射撃などでチームの先輩たちを上回る成績を出した。郷をMATの一員として迎えたことについて、自分の目に狂いは無かったことを喜ぶ加藤隊長。

一方、ウルトラマンが自分に乗り移っていることで身体能力が大幅に向上していることに、郷は嬉しさと同時に自惚れが生じていることに、自身は気づいていなかった。

海中に逃げたまましばらく現れなかったタッコングが、海面に浮くオイルプラント施設を襲った。これ以上被害を出さないためにも、仕留めるつもりで出撃したMATだったが、またしても海中へ逃げられてしまうのだった。

東京湾内を棲みかにしていることが調査で分かり、タッコング撃滅作戦を練るMAT。郷秀樹を入れて6名いる隊員全員が、六角形のテーブルを囲んで作戦会議に臨んだ。

『マットサブで、海底攻撃をするべきだと思う』
『確実に撃退できる作戦が無い限り、海底まで追う必要は無いと思う。失敗して上陸されるよりはマシだ』

いろいろな意見が出たが、加藤隊長の考えはこうだ。
『マットサブ1号と2号で海底を探索し、発見次第、互いに連絡を取り合いながら挟撃作戦だ。Z弾は出来るだけ接近して、口の中へ撃ち込め・・・解かったな、郷』

加藤隊長は、実戦経験の無い郷に念を押した。
『解りました、隊長。安心して見ていてください』

『実戦は射撃場とは違う。甘く見るなよ』
射撃で郷に負けた岸田は、先輩隊員としての意見を述べた。

『任せておいてください』
『こいつ、やけに自信満々だな・・・』

実戦を一度も経験していない郷の言葉や態度に表れる自信は何なのか。剣道で負けた上野は、郷の態度や言葉に不安なモノを感じた。加藤隊長は、最後にもう一度念を押した。
『作戦はあくまで冷静沈着に、協力しておこなうように!』

マットサブ1号に南と郷、2号に岸田と上野が乗り、海底探索を行っていく。1号がタッコングをソナーで発見、すぐに2号へ連絡した。

『南隊員、見つけ次第やっつけちゃいましょうよ!』
『作戦は忠実に守るんだ。俺たちだけでやって、失敗したらどうするんだ。2号を待って、攻撃開始だ』

しかし郷は、目の前に出現したタッコングを見た途端、2号を待たずにミサイルのレバーを引いてしまう。二本のミサイルを撃ち込まれたタッコングは傷を負い、マットサブ1号に襲いかかってきた。払い落とされて海底に激突したマットサブ1号内では、南隊員が負傷したうえに気を失ってしまった。

郷は両手を広げてウルトラマンになれ!と心の中で叫んでみるが、ウルトラマンにならない。
『どうしたんだ!ウルトラマンになれ・・・どうして変身しないんだ!』

作戦が失敗して戻ってきたマットサブ1号と2号。作戦室で岸田が叫んだ。
『勝手に攻撃しておいてその上逃がすなんて、なってないぞ』

2号艇の岸田が、作戦の失敗について南を非難した。
『すまん。1号の艇長は俺だ。俺が撃てと言ったから郷が撃ったんだ。責任はすべて俺にある』

右手と頭に傷を負った南は、自分にだけ処分を下すよう、隊長へ申し出た。
『そうはいかん・・・郷は作戦を無視して、勝手な行動を取った。従って隊員としての資格は無い。直ちに辞めてもらう!坂田さんの所へ帰り給え!』

加藤隊長は、録音されていたマットサブ1号内での南と郷の会話を皆の前で再生して、真実を公表した。

『隊長。郷は初めての出撃で、気が動転していたんです。誰にでもあるミスじゃないですか!』
『郷の取った行動はミスではない。身勝手な思い上がりだ!』

南は、郷にもう一度チャンスを与えようと隊長に食い下がったが、加藤隊長の郷に対する憤りや落胆は大きく、リーダーとしてとても許せるものではなかった。

郷は荷物をまとめて、坂田自動車工場に戻ってきた。あのとき、どうしてウルトラマンになれなかったのか?心の中で広がる疑問。
『加藤隊長から連絡があった。郷を返すと言ってきたよ・・・』

もう一度流星号を作ってレースに出場する夢を持ちかけた郷を、坂田は断った。「お前と一緒に組む気持ちは、もうない」と郷を怒らせる言葉をわざと発して、郷に一人で考える時間を与えようとする坂田健。

坂田自動車工場を飛び出してきた郷は、地面に仰向けになって青空を見ながら、一人になって考えてみた。そして、ウルトラマンであることに思いあがっていた自分、ウルトラマンであることを誇らしく振り回そうとしていた自分に気付く。

まず、郷秀樹として全力を尽くし努力しなければならなかったのだ。今の郷の心に、そう反省する気持ちが芽生えていた。

タッコングが再び上陸して、石油コンビナートを襲撃して来た。郷が抜けて5人となったMAT。さらに南が負傷しており、加藤隊長は南を基地へ置いて4人で出撃した。マットアロー1号で攻撃する岸田と上野。地上から避難誘導をする隊長と丘。そこに怪我をおして、南がやって来た。

地下の機械室に閉じ込められた作業員達を、救出に向かう南。機械室に着いた南は、通ってきた地下通路がガレキでふさがれてしまった事を作業員達に伝え、残りの出口を探した。

地上へつながるマンホールに登るしか手段が無いことが解り、すぐにその方法で脱出を試みるが、タッコングが壊したオイルタンクのオイルが流れ出して、マンホールからオイルが落ちてきた。これでは、すぐにも火が回るかもしれなかった。

自分のやるべきことを見つけた郷は、現場へ駆けつけてきた。郷の姿を見つけた加藤隊長は、心の中で喜んだ。
『郷。必ず来ると思っていた・・・』

地上からマンホールのふたを開けて中の様子を覗いた郷は、南と4名の作業員を確認すると、ハシゴを伝って下へ降りて行った。地下機械室内は煙が立ち込めていて、救助にきた南も呼吸するのがやっとだった。

『南隊員!』
『おお、郷か。この人達を早く・・・』

一人ずつ肩へ担いで、加藤隊長の所まで運ぶ郷。だが三人目を運ぼうとしたところで、室内に炎が広がってきた。郷は必死に炎を消そうとしたが、もう限界が来ていた。その時、「ウルトラマンの光」が郷を変身へと誘った。

両手を広げた郷は、ウルトラマンに変身した。地下にいた残りの作業員と南隊員を助けだしたウルトラマンは、タッコングに向かって行った。タッコングの口からオイルが吐き出された。

一瞬ひるんだウルトラマンだが、タッコングの右手を引きちぎると、少し後ろに下がって必殺スペシウム光線を放った。タッコングは動きを止めると吸盤のような穴から炎を噴き出し、やがて大爆発して粉々になってしまった。

坂田自動車工場に、マットビハイクルで加藤隊長と郷がやって来た。親代わりの坂田のもとへ返して何かをつかんでくれた郷は、今度の事件でMATの隊員に恥じない仕事をやり遂げた。郷を立ち直らせてくれたことにお礼が言いたくて、加藤隊長は寄ったのだった。

坂田はMAT隊員として立ち直った郷に、思いがけないプレゼントを贈るのだった。
『隊長にお願いがあります。休暇の時に郷を貸してください。流星2号を作りたいんです』

坂田に一度断られた流星号で優勝する夢。だが、それは坂田の愛のムチであったことを、今になって知る郷だった。
『俺たちの夢だ・・・大事に育てていこう!』

涙を流して喜ぶ郷に、そっとハンカチを渡すアキ。この一瞬に幸せを感じているアキであった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
人間は「力」を手に入れると、それまでの生き方がウソのように変わってしまう、弱い生き物だと思う。巨大な権力を持つようになったり、一生かかっても手に入らないような金額のお金が急に手に入ったりしたときなど、自分の環境の急激な変化によって性格までも変わってしまう例が、歴史上の人物にも見受けられる。郷秀樹もウルトラマンの能力を身に着けたことで、一時思い上がってしまうように・・・

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帰ってきたウルトラマン(6) [新マン・ドラマ]

今回は、第18話 《ウルトラセブン参上!》を取りあげます。

脚本;市川森一
主題歌;すぎやまこういち
音楽;冬木 透
怪獣デザイン;熊谷 健
ナレーター;名古屋 章
特殊技術;佐川和夫
監督;鍛治 昇

【宇宙大怪獣 ベムスター】登場


▼MATステーションは、地球から1000キロ上空で静止している宇宙ステーションである。地球へ侵入してくる宇宙からの敵に備え、常に目を光らせている。ここの梶キャプテンとMAT本部の加藤隊長とは、大学時代からの親友であった。

梶キャプテンには、来月子供が誕生する。子供の為に地上勤務に就くよう話かける加藤隊長に、地上は自分の柄じゃないと嬉しそうに応える梶キャプテン。楽しい話を終えた梶キャプテンに、次々と異常事態の報告が入ってきた。

『ステーション内の電圧が、急激に下がっています!』
『発電機を点検しておいてくれ』

『信じられないことに、ステーション内の酸素が外へ流れ出しています!』
『コントロール室へ。液体酸素タンクを点検せよ!』

次々と起こる異常事態に梶キャプテンは素早く対応するが、事はこれだけでは収まらなかった。
『レーダー室より計器室へ。ステーション頭上500メートルの位置に浮遊物体を発見。垂直に接近中!』

その間にも計器類の針は、どんどんゼロを示していくものばかりであった。隊員の一人が、天井を指差して叫んだ。
『キャプテン、あれを!』

計器室の天井にある丸い窓に、どんどん近づいて来る五角形の口のような物体。その中心部には舌のように見える赤い物が生き物のように動いて、ドロドロとした白い粘液を出していた。

ゴーンという大きな音がして、前方の窓にその物体の顔のような部分が見えた。直ちにレーザー砲で攻撃を開始したが、その物体はレーザー光線を吸収しているのだった。ステーション内のエネルギーが、その物体によってすべて吸い上げられていた。

通信係が、直ちにSOSを地上へ発信した。
『MATステーションよりMAT本部へ。非常事態発生!非常事態発生!宇宙空間より怪獣襲来。正体は・・・』

MATステーションとの通信が途絶えてしまった。MAT本部から加藤隊長が必死に呼びかけているが、返事が無い。
『MATステーション、応答せよ!応答せよ!』

その間にも、MATステーションを襲った巨大怪獣は、腹部の大きな口でステーションの一部を飲み込み始めた。計器室の丸い窓にヒビが入ったため、梶キャプテンは総員に退避命令を出した。

計器室を出た隊員達は、廊下を通って次の部屋へ行こうとしたのだが、この先にあるハッチが破られてしまい、これ以上先にも後にも進めなくなってしまった。梶キャプテンと行動を共にしていた数名の隊員達は行き場を失い、この場で立ち往生するしかなかった。

MATステーションを襲った怪獣は、遂にステーションを丸飲みすると、次の目標の地球へと針路を向けて翼を羽ばたかせた。

『遠隔レーダーが、成層圏内を浮遊中の物体をキャッチした。MATステーションを飲み込むほどの奴だ。巨大な生物にちがいない。慎重に、見つけ次第撃ち落とせ!ミスは許さん!』

いつも冷静な加藤隊長の気持ちは、たかぶっていた。親友の命を奪った怪獣だ、絶対に逃がすわけにはいかない。マットアロー1号で南と上野に出撃を命じた。
『必ず仇は取ってやるぞ、梶!』

マットアロー2号にミサイルを搭載して、岸田と郷に出撃を命令した。怪獣の頭部にあるツノから出す破壊光線でアロー1号は撃墜され、南と上野は負傷してしまう。アロー2号に積んだミサイルも、この怪獣には歯が立たない。加藤隊長は、仕方なく岸田と郷に帰還命令を出した。

梶キャプテンの奧さんのもとへ行き、加藤隊長は辛い報告をしなければならなかった。怪獣は姿を消して、その後しばらく姿を現さなかった。その間に、先の戦闘でアローが撮った航空写真を分析し、怪獣の正体が判明した。

『こいつは、明らかに宇宙怪獣だ。かに星雲に棲む宇宙生物ベムスターだ。MAT航空医学センターの分析資料によれば、ヤツは水素、窒素、ヘリウムなどのガス源をエネルギーとしている』

ベムスターは、夜間にガスタンクを狙いに現れた。ベムスターはガスタンクの上に静かに舞い降りると、空気を抜かれたボールの様にガスタンクはしぼんでいく。

食っている最中のガスタンクに向けて、レーザー光線を発射した2機のマットアローだったが、ガスタンクが大爆発して炎を巻き上げてもベムスターはビクともしなかった。

『必ず息の根を止めてやる!』
加藤隊長は、撃墜されたアロー2号から負傷した岸田を救助すると、そうつぶやいた。

第二地区のガスタンク付近に、再び現れたベムスター。一人乗りのマットアロー2号で出撃した加藤隊長は、今度こそ梶キャプテンの仇を取るつもりで、必死の攻撃を仕掛ける。郷は怪獣出現の連絡を受け、マットビハイクルで現場へ到着した。

ベムスターへ挑むため、炎の中へ走っていく郷。「ウルトラマンの光」が郷を変身へ導く。ウルトラマンにとって、地球へ来て初めて戦う宇宙怪獣であった。

ウルトラマンは、右肩からのショルダータックルで一度はベムスターを倒したが、起き上がって組んで戦うと体力負けしてしまうのだった。必殺のスペシウム光線を放ったが、腹部の五角形部分に全て吸収されてしまい、ウルトラマンはショックを受ける。

カラータイマーが赤く点滅し、エネルギーがわずかなウルトラマンは防戦一方となり、戦う気力を失って飛び去ってしまうのだった。

『太陽よ・・・この私をもっと強くしてくれ。この私に、ベムスターと互角に戦える力を与えてくれ!』
『ウルトラマン。これ以上、太陽に近づいてはならない。引き返すのだ、ウルトラマン!』

忠告を無視して太陽に向かって飛ぶウルトラマンは、遂に太陽の引力圏に捕らえられ、飛行姿勢のバランスを失って太陽に吸い寄せられていく。それを助けたのは、ウルトラセブンであった。

『お前にこれを与えよう。ウルトラブレスレットだ』
セブンの右手からウルトラマンの右手にそれは渡り、そして左手首にピタッとはまった金色に光る腕輪・ウルトラブレスレット。

『これさえ身に着けておけば、いかなる宇宙怪獣とも互角に戦えるだろう。さぁ地球へ戻るのだ、ウルトラマン!』

その頃、地球ではウルトラマンが敗れたあと、加藤隊長は残りのミサイルをすべて使ってベムスターを攻撃し続けていた。だが、ベムスターの破壊光線を受けたアロー2号は撃墜され、炎が機体に回っていた。

加藤隊長は遠くなる意識の中で、ウルトラマンが帰ってくるのを見た。ウルトラマンは墜落していくアロー2号を空中で受け止めると、地面にそっと置いた。
『ウルトラマンが、帰ってきた・・・』

ウルトラマンはベムスターに水平チョップを一発見舞うと、ウルトラブレスレットを左腕から外して右手に持って高くかざすと、それはスパークしてベムスターの動きを金縛りのように止めた。

動かなくなったベムスターへブレスレットを投げつけると、それは白い光となってベムスターの両手と頭部を斬り落として、ブーメランの様にウルトラマンの手に戻ってくるのだった。ドサッと地面に落ちて、ボォッと燃え上がるベムスターの骸(むくろ)・・・

加藤隊長はアローの中で、ウルトラマンがベムスターを倒すのを見た。嬉しさがこみ上げてきた。苦しい戦いの末に、ようやく仇は取った。
『やったぞ・・・梶!』

郷が加藤隊長を迎えに行くと、足を引きずり血を流しながら、怪我の手当てよりも先に、梶の奧さんにこの勝利を伝えたいと言う加藤隊長。郷はマットビハイクルに加藤隊長を乗せて、梶キャプテンの奧さんのもとへ向かうのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
梶キャプテン役で出演しているのは、キリヤマ隊長とは盟友のクラタ隊長役でお馴染み、南廣氏である。今回は出番が少なくて残念!
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帰ってきたウルトラマン(7) [新マン・ドラマ]

今回は、第21話 《怪獣チャンネル》を取りあげます。

脚本;市川森一
主題歌;すぎやまこういち
音楽;冬木 透
怪獣デザイン;熊谷 健
ナレーター;名古屋 章
特殊技術;高野宏一
監督;筧 正典

【電波怪獣 ビーコン】登場


▼午前4時。就寝中のミカコちゃんはトイレに行くために目が覚めた。途中、リビングでつけっ放しのテレビを見つけて消そうとテレビの前に立ったとき、それまでザーザーと音を立てて映っていた画面の砂嵐が、突然旅客機の映像に替わったのだった。

『あっ、映った・・・』
どの放送局も、放送開始までには時間がある。これは放送局の放送では無い。同じ頃、MATの南隊員から電話で起こされた郷。

『郷か、早くテレビをつけて見ろ!』
『こんな時間にやってないでしょう・・・』

南に急かされた郷がテレビをつけてみると、確かに旅客機が飛んでいる映像が映し出されているのだった。どこのチャンネルを回しても、みんな同じ映像だった。その直後、旅客機は正面から映し出されて、画面のすぐ下から出た光りによって撃墜されてしまうのだった。

午前5時。MAT隊員全員に非常招集がかかった。
『その映像は、ちょうど獲物を狙う生き物の様にゆっくりと旅客機に近づくと、映像の下から怪光線が発射されて、旅客機は墜落してしまいました』

南隊員は自分が見たままに報告し、郷も同様に報告した。加藤隊長は、二人が映像を見ていた午前4時ごろに東シナ海上空を飛行していた日本の民間機が、原因不明の爆発を起こして墜落した事を告げるのであった。

『すると、我々は爆発のテレビ中継を見たんですか?!』
東京都下だけでも、100件を超える家庭が同じ映像を見ていたことが、丘隊員から報告された。

『おそらく、東シナ海上空から発射された強力な電波を通信衛星が自動的に中継して、世界中に流したらしい』

一体何者が、どんな方法で、6000メートル上空からテレビカメラで旅客機を中継したのか?
『それを突き止めるのが、我々の任務だ!』

早速、マットアロー1号で郷と上野が東シナ海へ飛んだ。そこでふたりは、空中を浮遊する謎の怪獣を発見する。驚いたことにその怪獣は電波をすべて吸収してしまうため、ふたりは本部への連絡が出来ないのであった。

緑色の巨体に付いた顔には、まるで信号のような赤い目玉と黄色い鼻が付いていた。アローが撮った航空写真を分析して、怪獣の正体が判ってきた。これはビーコンと呼ばれる電離層にすむ宇宙怪獣で、空中の電波を吸収する特性を持っている。電波を食う怪獣なのである。

ビーコンは電波を食って、それを独自の電波を発信するという機能があるらしい。つまり、ビーコンの身体全体がテレビ局と同じなのである。東京上空は、電波があふれている。ビーコンが次に狙うのは、東京だろう。

『言っておくが、ヘマをするんじゃないぞ。我々の戦いは、ビーコンのカメラアイによって、世界中に中継されてしまう恐れがあるからだ』

ツトムは免許を取ったアマチュア無線でアメリカの友人と交信をしていたが、急に電波が切れてしまい、仕方なくテレビでも見ることにした。

だが、昼のテレビ権は母にあった。お昼のメロドラマを観ていたツトムの母は、突然画面に割って入ってきた旅客機の映像に、横にいた息子のツトムがチャンネルを回したからだと勘違いして怒った。

ツトムは自分では無いと言っているうちに、映像は旅客機の墜落事故を映すのであった。やがてテレビの画面には、マットアロー1号が映る。南と岸田の乗ったマットアロー1号が、北極海上空でビーコンと遭遇したのであった。

攻撃を開始したその様子は、ビーコンのカメラアイを通して、世界中に中継されてしまう。
『あっ、マットアローだ。カッコイイ!』

ツトムと母はマットアローが飛行している様子をしばらく観ていたが、やがて何かに攻撃されてアローの機体が被弾し、煙を出しながら飛ぶマットアロー1号を観て、ツトムはガッカリしてしまう。
『弱いなぁ、MATは・・・』

ガッカリするツトムと、見たくも無い映像を見せられていたツトムの母。だが再びメロドラマに切り替わったテレビ。だが肝心な場面が終わっていたため、ふてくされてしまうツトムの母だった。

MAT本部では、必死にアロー1号と連絡を取ろうとしていたのだが、電波をビーコンに食われてしまい、連絡を取ることができなかった。勝手にビーコンに攻撃を加えて負け戦になったMATの映像は、全世界に放映されてしまった。

レーダーも無線もコンピュータも使えずにビーコンと戦うことは、絶対的に不利だった。郷は加藤隊長に、ビーコンを海上に誘いだすための作戦を進言するのだった。

『東京中の電波を封鎖したのち、マットアローだけが電波を流しながら海上を飛びます。ヤツはそれに必ず食らいついてきます。海上に誘いだしたら、ミサイルで仕留めます』

午後5時。東京中のあらゆる電波が発信を止めた。そして南隊員を乗せたマットアロー2号だけが高周波を出しながら太平洋へ向かって飛び立っていった。アローと本部の通信が切れた時が、ビーコンが電波に食らいついた証拠だ。

この通信が切れたら、ミサイルを搭載したマットアローが基地を飛び立つことになっている。だが、通信はなかなか途切れなかった。おかしいと思って調査していると、江戸川区から別の高周波が流れていることが判明した。それはツトムのアマチュア無線だった。

ツトムは最近アマチュア無線の免許を取ったばかりなので、アメリカの少年と交信したかったのだ。怪獣ビーコンは、悪いことにこのアマチュア無線電波に食らいついてしまった。

太平洋へ向かっていたアロー2号は直ちに戻る様に指示がだされ、江戸川区のアマチュア無線の電波源を特定するために、郷は背中に探知機を背負っていた。

ビーコンは、都内で唯一電波を出しているツトムの家に向かって突進して来た。ビーコンに乗っかられて壊れかけたツトムの家に入り、潰されかけていたツトムを助けると、母といっしょに外へ逃がした。

だが、そのあと郷は木材の下敷きになってしまう。そのとき、「ウルトラマンの光」が郷を変身へ導いた。ビーコンを両手で持ちあげて、出現したウルトラマン。夕暮れ時、浮遊するビーコン対ウルトラマンの対決がはじまる。

信号のような赤い目から出すビーコン破壊光線と、ウルトラマンのスペシウム光線が空中でぶつかり、激しく火花を散らす。

ウルトラマンは浮遊するビーコンに向かい、ウルトラブレスレットを光輪のように投げた。それを顔面に受けたビーコンは、ドドーンと地面に落下して夕陽の中で絶命した。夕陽を背に飛び去るウルトラマン。

午前4時。ミカコちゃんは、トイレに行く途中でリビングに寄ってテレビをつけてみる。だが、テレビ画面にはザーザーとうるさい砂嵐しか映らない。だって、ビーコンはウルトラマンに退治されちゃったからね!

「やっぱり映らないかぁ」と言う顔をしてテレビを消すと、そっとリビングを出ていくミカコちゃんだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
この回の導入部(ミカコちゃんの話)は、市川森一氏がかつてウルトラセブンの「ひとりぼっちの地球人」でやった、覗いてはいけないものを覗いたために事件に巻き込まれるパターンと、同じだろう。

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帰ってきたウルトラマン(8) [新マン・ドラマ]

今回は、第3話 《恐怖の怪獣魔境》を取りあげます。

脚本;上原正三
主題歌;すぎやまこういち
音楽;冬木 透
美術;池谷仙克・高橋昭彦
ナレーター;名古屋 章
特殊技術;高野宏一
監督;筧 正典

【岩石怪獣 サドラ】
【地底怪獣 デットン】登場


▼霧吹山(きりふきやま)は魔の山と呼ばれ、謎の転落事故が多いことで有名な山であった。霧が深くなる時には決まって、転落事故が起きている。今日も又、勇気ある青年が頂上を目指して登っていたが、霧が深くなった時にふたりの若者が転落事故に遭っていた。

その頃、霧吹山上空をマットアロー1号がパトロールしていた。郷は上野に、怪獣が吠えるような声が聞こえたと言ったが、ここは地上4千メートル上空なのだ。空耳だろうと言って、上野は片づけてしまう。

ウルトラマンの超能力を持つ郷には怪獣の叫び声が聞こえていたのだが、普通の人間の上野に、それは説明のしようが無い。上空も霧が深くなってきた。だが郷の目には、頂上の岩山の影にうごめく怪獣の姿が見えていた。

『あっ、怪獣だ!』
もっとよく見ようとして近づけば、乱気流に巻き込まれてしまう。そこで郷は、航空写真を撮影してみた。基地へ帰っても、上野と郷の意見はぶつかり合っていた。

視力がいい上野は、自分の目に自信を持っていた。そのとき、加藤隊長がある情報を発表した。
『郷が怪獣を見たという同じ時刻頃、城南大学の学生が二人転落死している。原因は、落石によるものと断定された』

丘隊員が、郷の航空写真をスライドにして、隊員たちが座る六角形の机の中央部に投影した。4枚のスライド写真には怪獣の姿は写っていなかったが、怪獣の尻尾のようなモノが写っていた。
『いや、これは岩肌です。隊長!』

上野は自分の視力を信じて、そう判定した。だが、加藤隊長は、南、岸田、上野、郷を霧吹山へ行かせることにした。少しでも疑問があれば確認しに行くことが、MATの使命だと隊長は言うのだ。

4人は南と郷、岸田と上野の二手に別れ、険しい岩山をロープを使って登り、頂上へ到着した。その名の通り、霧が深く、岩しかない頂上で、怪獣の影すらも見ることは出来なかった。リーダーの南は怪獣はいないと判断して、下山しようとする。

だが郷の耳には、遠くかすかに怪獣の声が聞こえていた。基地へ帰った4人は南や岸田までもが郷と対立し、郷は孤立してしまうのだった。翌日、郷は休暇で坂田のもとへ来ていた。流星2号の図面を引くために、郷と坂田はいろいろな意見、考えをめぐらしていた。

だがどういう訳か、郷の耳には霧吹山で聞いた怪獣の声が、今も聞こえているのだった。なにか悪い予兆なのか?気になって仕方が無い郷を見ていて、坂田はもうやる気を失ってしまうのだった。

その頃、加藤隊長は怪獣の有無を自分の目で確認するため、ひとりで霧吹山へ登っていた。霧が深くなり、ほんの数メートル先も見えない岩だらけの頂上で、加藤隊長の目の前に巨大な怪獣サドラが出現して迫ってきた。

岩陰に隠れた加藤隊長だったが、サドラが崖崩れを起こして、落下してきた岩石で加藤隊長は右足に大怪我をしてしまった。基地へ連絡を試みるが、雑音ばかりで無線が通じない。この辺一体の岩石が磁石になっているためであった。

ピッケルを杖にしながら、なんとか怪獣から発見されぬよう洞穴に隠れる加藤隊長。だが前進も後退もできず、応援も呼べず、怪我もしている。八方ふさがりで、このままでは死を待つ以外にない。一方MAT本部では、定時連絡が無く消息不明の隊長を、隊員たちが心配していた。

休暇中の郷にも、緊急招集がかかる。隊長はどこへ行ったのか。郷は直感で思った。
『隊長は、霧吹山へ行ったんだ!』
『証拠でもあるのか!』

証拠はないが、郷の意見にはサブリーダーの南も同感であった。
『もしかすると、隊長は自分の目で確かめに行ったのかもしれない・・・』

救助隊を出せないのなら自分一人でも行こうとする郷に、南がマットジャイロで送ることになった。だが、もう夜になり暗くて危険なため、山頂への着陸は出来ない。朝を待って登った方がいいという南の意見に、郷はパラシュートで降下すると言い出す。

無茶をするのには、理由があった。郷の父親は、郷が13歳の時、山で遭難したのだ。救助隊があと100メートル先を捜索してくれていたら、父は助かったかもしれなかった。捜索隊のいる位置から100メートル先の岩陰で、大怪我をして動けない父と仲間がいたのだった。

だから、とても朝までは待っていられなかった。南が止めるのも聞かずに、郷はパラシュートで降下していく。暗い山頂に降りた郷は、ヘルメットのライトを頼りに大声で隊長を呼びながら探した。仮眠したあと、朝日が昇って明るくなってきたので、郷は再び隊長探しに動くのだった。

怪獣サドラに洞窟の前に居座られ、隊長は朝を待って、マットシュートで攻撃をした。サドラがあきらめていなくなった頃に、郷が大声で呼びながら洞窟の前を通った。

『郷、ここだ!』
『しっかりしてください!』
『来てくれたのか・・・だがこんな恐ろしい所へ一人で来るやつがあるか・・・バカ者』

郷は、加藤隊長が自分の思っていたような人物であったことが、嬉しかった。確信が持てるまでは、トコトン追求するタイプの人であった。

さぁ怪獣サドラがいない間に、ここを脱出しなければならない!ところが、怪獣はサドラだけでは無かった。もう一匹の怪獣デットンが出現したのだ。二人は岩陰に隠れてデットンに手りゅう弾を投げたが、あまり効き目が無い。

デットンの声を聞きつけて、サドラがやって来た。二大怪獣が加藤隊長と郷の目の前で、戦いを始めた。この二匹が戦っている間に、郷は怪我をしている隊長に肩を貸しながら、少しずつ移動をした。だが、岩だらけの山頂は歩き難い。

両者の激しい戦いの振動で、郷と隊長が隠れていた岩陰が崩れて、郷の足は岩と岩とで挟まってしまった。加藤隊長に本部へ連絡するよう話すが、ここでは無線が通じない。隊長は足を引きずりながら、無線の通じる場所まで行くことにした。

だが、それを見たサドラとデットンは戦いを止めて、二匹で加藤隊長を追っていくではないか・・・。必死に岩から足を引き抜こうとする郷に、「ウルトラマンの光」が変身へ導く。ウルトラマン登場!

ウルトラマンは、初めて二匹の大怪獣を相手にする戦いに挑む。サドラの巨大なハサミが、背後からウルトラマンを叩いて襲った。倒れたウルトラマンの右足に噛みつくデットン。ウルトラマンの首をハサミで締め付けるサドラ。

青から赤に変わるカラータイマー。ウルトラマンが危ない!寝ころんだ状態からキックでデットンを突き飛ばすと、起き上がってサドラを首投げする。逃げて行くデットンの背中にスペシウム光線を撃ち、振り返ってサドラには八つ裂き光輪を投げて、首を斬り落してとどめを刺した。

足を引きずりながら戻ってきた加藤隊長は、足を引きずりながら歩く郷を見つけて、ふたりは笑顔で握手を交わす。隊長も郷も、この魔の山での激しい戦いをくぐり抜け、お互いに相手のことを思いやっていた。

『大丈夫か、郷!』
『隊長の方こそ・・・!』
『なぁに、怪獣如きには負けはせんよ(笑)』 

ゆっくり下山している途中で、ふたりを迎えに来た南隊員たちを見つけた加藤隊長と郷は、手を振って合図するのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
郷にとって休暇とは、体を休める日ではなく、坂田兄妹へのサービスをする日なのであった(笑)

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